名古屋グランパスのMFニコラ・ヤキモフスキー(23)が9日、大きく成長してのグランパス復帰を誓い、中部国際空港から離日した。来季の戦力構想から外れ、期限付き移籍で国外クラブに放出される予定。移籍先が決まっていないため表情は浮かなかったが、外国人選手では異例となるチーム復帰への熱意を語った。また、DF闘莉王とFWケネディ、今季限りで退団するDFダニエルとジュロブスキーコーチもそれぞれ帰国した。
不思議キャラのマケドニアンが、グランパス復帰を熱烈に希望した。傷心帰国となった中部国際空港出発ロビー。チーム関係者と別れを惜しんだヤキモフスキーは、熱い思いを吐露した。
「日本ではミスターからネバーギブアップの精神を学んだ。私はもっともっともっと良い選手になって、グランパスをチャンピオンにするために戻ってきたい。なぜなら、われわれは家族だからだ」
ストイコビッチ監督の強い要望で入団し、この1年で“ピクシーイズム”を注入されたヤキモフスキー。それだけに指揮官の退任が自身のサッカー人生を直撃した。期限付き移籍先は生まれ育った東欧か、タイなどの東南アジアが有力。単年契約だが2015年までグランパスが保有権を持つため、期限付き移籍先から復帰する可能性はある。ただ、よほど強烈な成績を挙げなければ復帰はかなわないことは、本人も理解している。
今季は公式戦21試合1得点。3月のナビスコ杯鳥栖戦では1ゴール1アシストと活躍して期待が高まったが、その後は鳴かず飛ばずだった。日本語や日本食には積極的に取り組んだもののチームメートとはあまりなじめず、シーズン後半は膝や腰の故障もあって、出場機会は皆無だった。
それでも、ヤキモフスキーのクラブ愛は不変だった。「サポーターはアメージングだった。『アイデ(マケドニア語で“頑張れ”の意)、ヤキ!!』と応援してくれたことは絶対に忘れない。グランパスは日本のベストクラブだと思う」。日本での1年間に感謝しつつ、さすらいのサッカー人生へと船出した。 (宮崎厚志)
◆ダニエル、今度は対戦相手
契約満了で退団するDFダニエルは対戦相手としての再会を誓った。「日本でキャリアを終えたい」と話し、代理人を通じて来季もJリーグでのプレーを模索している。名古屋で2シーズンを過ごし「本当にこの土地で仕事ができてうれしかった。来年、神様のご加護があれば、日本に戻ってきてみなさんに会いたい」と折り目正しくあいさつしたダニエル。見送りに来たMF藤本の一家やクラブスタッフと抱き合い、笑顔で日本を後にした。
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