習主席は、なぜこれほど日本に対して過激になっているのか。前出の矢板特派員が語る。
「習近平のパフォーマンスは、半分は日本向けですが、半分は国内向けです。『3中全会』(11月9日~12日に開いた中国共産党の重要会議)で目立った改革が発表されなかったことで、国民の間に習政権への失望感が高まった。そこで追い詰められた習近平は、防空識別圏設定という、かねてから準備していた『日本カード』を切ったわけです。
いまのところ、民族主義に火をつけた習近平の狙いはまんまと的中し、国民は拍手喝采です。インターネット上では、『政府はよくやった』『政府を支持して日本と戦おう』などという書き込みが続出しているのです」
ロックオンされている
こうした中国のエスカレートぶりに、日本も黙って手をこまねいているわけではない。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が明かす。
「中国が23日に防空識別圏を設置した後も、発表こそしていませんが、航空自衛隊のP3C哨戒機が沖縄県の南西諸島海域をパトロールしています。だが今後、『第2の海南島事件』が懸念されます」
海南島事件とは、'01年4月1日に、海南島の東南110kmの南シナ海の公海上空で、偵察中のアメリカ海軍EP-3E電子偵察機と、人民解放軍のJ-8Ⅱ戦闘機が、空中衝突した事件である。
これによって中国側の戦闘機が墜落し、パイロットが殉職した。アメリカ軍の偵察機は海南島に不時着し、パイロットらは中国側に身柄を拘束された。
米中双方は激しい非難合戦を行ったが、最後は中国側が、拘束した偵察機とパイロットらを帰還させて解決をみた。
このような事態が今後、日中間で繰り広げられる懸念があるというのだ。黒井氏が続ける。
「中国軍はまず第1段階として、自衛隊機に対してロックオンしてくるでしょう。ロックオンというのは、敵国の標的物(戦闘機や哨戒機など)に目標を自動セットすることで、あとは発射ボタンを押すだけです。
軍事の世界では、ロックオンされたら反撃してもよいとされていますが、東シナ海は戦場ではないので、自衛隊機が中国機を攻撃することはない。
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