北朝鮮 チャン氏の解任発表 権力構造再編か12月9日 11時37分
北朝鮮は9日朝、キム・ジョンウン第1書記のおじで後見人とされるチャン・ソンテク国防委員会副委員長をすべての職務から解任し、党から除名することを決めたと発表し今後、北朝鮮の権力構造の再編が進むものとみられます。
これは、北朝鮮の朝鮮労働党の政治局が8日にピョンヤンで開いた拡大会議で決定し、9日朝に発表したもので、党の機関紙「労働新聞」は、1面に、眼鏡をかけたキム・ジョンウン第1書記の写真と共に決定の内容を掲載しました。
この中で、キム第1書記はおじで後見人とされるチャン・ソンテク国防委員会副委員長を呼び捨てにして、「反党・反革命的な分派行為を行い、強くて盛んな強盛国家の建設や、人民生活の向上のための闘いを阻害した。資本主義に染まって不正腐敗を行い、堕落した生活を送った」と厳しく糾弾しました。
そのうえで会議では、チャン氏をすべての職務から解任して党から除名することが決定され、「チャン・ソンテクを排除し、その一味を粛清することで党内の分派的な動きに打撃を与えた」としています。
チャン氏を巡っては、韓国の情報機関が今月3日に側近2人が先月処刑され、チャン氏自身も失脚した可能性が高いとする見方を示し、これを裏付ける形で国営テレビが7日に再放送した記録映画の中でチャン氏が映っているシーンが削除されていました。
チャン氏は、2年前に死去したキム・ジョンイル総書記の妹の夫という立場を背景に、実力者として強い影響力を誇っていましたが、失脚が確実となったことで、今後、北朝鮮の権力構造の再編が進むものとみられます。
第1書記の支配体制さらに強化か
チャン・ソンテク国防委員会副委員長の解任と党からの除名について、韓国メディアも速報で伝えたあと、キム・ジョンウン第1書記の支配体制がさらに強化されるだろうといった見方を伝えています。
このうち、韓国の通信社、連合ニュースは、チャン・ソンテク氏の解任と党からの除名を速報で伝えたあと、分析記事を配信しました。
この中では、北朝鮮が今回、キム・ジョンウン第1書記が務める「朝鮮人民軍最高司令官の命令を不服として反革命的な行為をした」と発表したことに注目し、去年12月の長距離弾道ミサイル発射やことし春、南北が共同開発するケソン工業団地を操業停止する措置に反対したため、軍部と衝突したという観測を裏付けたとしています。
また、北朝鮮の発表でチャン氏が「司法検察、人民保安機関に対し災いをもたらした」とされたことから、朝鮮労働党で、チャン氏が部長を務める行政部が何らかの理由で治安機関などと対立したとも分析しています。
さらに、今後は、キム第1書記の支配体制がさらに強化され、チェ・リョンヘ軍総政治局長の影響力が拡大するという見方を伝えています。
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