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キム第1書記”後見人”失脚か「粛清の要素大」
12月4日 19時24分

キム第1書記”後見人”失脚か「粛清の要素大」
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北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記の後見人とされるチャン・ソンテク国防委員会副委員長が失脚した可能性が高いという見方を、韓国の情報機関が示したことについて、韓国のリュ・ギルチェ統一相は、今回の動きはキム第1書記による粛清という要素が大きいという見解を明らかにしました。

韓国のリュ・ギルチェ統一相は4日、国会の外交統一委員会に出席し、韓国の国家情報院が失脚した可能性が高いとしている、北朝鮮のチャン・ソンテク国防委員会副委員長について、詳しい言及は避けながらも、チャン氏の身辺には異変がないと確認したことを明らかにしました。
そのうえでリュ統一相は、チャン氏は朝鮮人民軍のチェ・リョンヘ総政治局長との間で権力争いが長く指摘されてきたものの、特に関連はないとして、今回の動きはキム・ジョンウン第1書記による粛清という要素が大きいという見解を明らかにしました。
リュ統一相は、さらに「北の政治体制の特性上、たとえ年が若いといっても、キム第1書記が党と政府、軍の掌握ができていないという根拠はない」と述べて、キム第1書記の権力基盤は強固だという見方を示しました。

韓国は警戒続ける

韓国の情報機関・国家情報院は3日、北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記のおじで後見人とされるチャン・ソンテク国防委員会副委員長の側近2人が処刑され、チャン氏自身も失脚した可能性が高いという見方を、国会の情報委員会に所属する議員に報告しました。
これに関連して韓国統一省の副報道官は4日の記者会見で、「現在、チャン氏はすべての職責を解かれた可能性が濃厚だと把握している」と述べました。
その一方で、「過去には北の幹部が病気を理由に職責から退いたという公式報道があったが、チャン氏の場合は現在まで公式報道がなく、今後北の動向を注視する必要がある」と述べ、先月6日以降チャン氏の動静を伝えていない北朝鮮の公式報道を分析していく考えを明らかにしました。
韓国のキム・グァンジン国防相は、4日に行われた軍の高官との会議で、北朝鮮内部で権力の再調整のための作業が進められているという見方を示しました。
また、キム国防相は記者団に対して、「特別な兆候があるわけではないが、北朝鮮の状況を注視し、軍事的な備えを強化している」と明らかにしました。
一方、韓国国防省の高官は、北朝鮮がこのところ多連装ロケット砲の配備やサイバー攻撃の能力の強化を進めていると指摘したうえで、「今回の事態が韓国への軍事挑発につながる可能性もある」としており、韓国政府は警戒を続けています。

北朝鮮紙が記事で「裏切り者」

北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、4日付けの紙面で、「どれほど長い間党に忠実だったとしても、きょう、一瞬でも忠実でなかったならば、忠臣となることはできない」という、キム・ジョンイル総書記のことばを紹介しました。
そのうえで「世の中に裏切り者ほど汚れた者はいない」として、「裏切り者」を非難し、後継者のキム・ジョンウン第1書記への忠誠を呼びかけています。
北朝鮮の国営メディアは、キム総書記が死去して2年となる今月17日に向けて、体制引き締めのための宣伝を強化しており、4日の記事もその一環だとみられます。ただ、北朝鮮を巡っては、チャン・ソンテク氏について「失脚した可能性が高い」とする見方を示したばかりだけに、「裏切り者」という表現はチャン氏を指しているのではないかという臆測も飛び交っています。

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