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16日の夕方、三重県桑名市のパチンコ店駐車場において、生後5ヶ月の乳児が約2時間半車内に放置され、発見後病院に運ばれるが死亡する事件が発生した。
この母親は育児ノイローゼで心療内科に通院中。6月から児童相談センターが「育児困難」と判断し、で、乳児を乳児院に預けていた。
8月12日から、16日まで一時帰宅していたが、乳児院にも戻らず、家にもいないため、心中などの不安がよぎった夫が警察に通報。その後、母親と携帯がつながり、パチンコ店にいることが判明。警察と父親がパチンコ店に急行し、車内に放置されている子供を発見。病院に搬送するものの、熱中症が原因で死亡した。
三重県桑名署は、17日に母親の佐藤貴子容疑者(45)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕。
佐藤容疑者は容疑を認め、「考え事をしたくて店に行った。育児に悩んでいた」と話している。
佐藤容疑者は普段パチンコをしないという。
8月17日中日新聞夕刊
8月17日NHK名古屋放送局報道より
パチンコ店駐車場での乳幼児車内放置、ということで、「パチンコ依存症」と安易に決めつけた報道、またそのように思わせたいのか強いバイアスがかたった報道も多く見られるが、この母親は「普段パチンコをしない」上、育児ノイローゼだったことが判明しており、これまでの車内放置事件とは背景が異なる。
ただし、どのような放置理由であれ、駐車場内に放置された乳児を店舗関係者が約3時間発見できなかったことは大変残念というしかない。
事件が発生したのは「マリオン桑名店」(運営会社は株式会社TRY&TRUST)。
全日遊連では、この事件を受けて、「子供事故対策の徹底について」という文書を緊急通達。あわせて「ホールにおける子供事故防止対策4箇条」を発出し、事故防止の周知徹底を図っている。
また同友会では、同会HPのトップページに「子供の駐車場車内放置事故防止及び緊急時の対応マニュアル」と自由にダウンロード可能な「告知POPデータ」を掲載している。
警察庁は石川県で昨年発生したホール駐車場における車内放置事故を受け、駐車場の定期的な巡回点検、広報啓発(ポスターの掲示、店内放送)に加え、児童を連れて車両で来店する遊技客に関しては、駐車場の入場そのものを断る等、対策を強く要請したが、(今回の事件はのめり込み問題起因である可能性は薄いが)今回、5年連続でホール駐車場において乳幼児の死亡事件が発生してしまったことで、より実効性の高い事故防止対策をホール5団体に対して求めてくることも考えられる。