通学路の安全確保へ県内初の試み横断歩道の高さを車道よりも10cmアップ 通過車両の平均速度が20kmダウン 滋賀・長浜市
歩行者が安全に渡れるように―と、車道の路面より10cm高く設置された横断歩道が、滋賀県長浜市湖北町速水の県道速水片山線に登場した。高低差があるためドライバーに減速を促せるという県内初の試み。長浜署の調査で、この横断歩道の設置後、通過車両の平均速度が20km低下したことが分かり、同署などが手応えを感じている。
この横断歩道は、近くにある市立速水小学校の通学路になっており、多くの児童が登下校時などで利用するが信号はない。また、この横断歩道の近くに国道8号との交差点があり、同署交通課によると、交差点を通過するため横断歩道の手前で加速する車も多かったという。このため、保護者は「子供たちが安全に登下校できるようにしてほしい」と対策を求めていた。
同署が検討を重ねたところ、信号については、歩道上にしか設置スペースがなく歩行者の妨げになることから設置は困難。このため、関東地方などでの先例を採用し、車道との間に高低差のある横断歩道を設置するよう、道路を管理する県に要請した。これを受け、県長浜土木事務所が先月29日に設置工事を行い、県警もこれに合わせて付近の制限速度を引き下げた。
車道は、横断歩道の2m手前から緩やかに勾配が設けられ、傾斜部分には勾配があることを知らせる三角形の路面表示が施された。
同署交通課の堂国文彦交通専門官は「新しい横断歩道では、ほとんどの車が勾配に気付いて速度を落とすようになり、通過車両の平均速度は30kmと、以前より20km抑えることができた。歩行者には安心して渡ってもらえるはず」と話している。
(MSN産経ニュースwestより)