猪瀬知事「政治団体代表が提案」12月9日 18時14分
東京都の猪瀬知事が、大手医療法人「徳洲会」グループから5000万円を受け取った問題について集中的に審議する都議会の総務委員会が開かれています。
この中で猪瀬知事は、5000万円を受け取る前に徳田毅衆議院議員と会食をした際、都知事選挙のあとの生活への不安を話したところ、同席した政治団体の代表が「お金を貸してあげたらいいのではないかと提案した」と説明しました。
東京都議会は、猪瀬知事が去年の知事選挙の直前に「徳洲会」グループから5000万円を受け取った問題について集中審議する総務委員会が9日開かれ、議会側からの求めに応じて猪瀬知事が出席しました。
委員会は9日と10日の2日間の日程で開かれ、初日の審議では都議会で主導権を持つ自民党と公明党が質問に立ちまちした。
このうち自民党の高木啓議員は、まず都知事選挙の前の去年11月6日に猪瀬知事が「徳洲会」グループの徳田虎雄前理事長と神奈川県内の病院で面会した理由をただしました。
猪瀬知事は、政治団体「一水会」の木村三浩代表に誘われてあいさつに行ったとしたうえで、その理由について「誘われたので、好奇心がありどんなものかと思ってついて行った」と述べました。
しかし「何を期待して会ったのか。選挙の資金を出してほしいと言いに行ったのではないか」などと繰り返し問われると、猪瀬知事は「木村氏から少し珍しいところに行くと言われついて行ったのが実情で、興味を持って行ったが当時のやり取りや状況は本当にあまり詳しく覚えていない。申し訳ない」と述べました。
高木議員は続いて、猪瀬知事が徳田前理事長の次男の徳田毅衆議院議員から5000万円を受け取る前に、木村代表と3人で東京・港区の和食店で会食したときのやり取りについてただしました。
これに対して猪瀬知事は「会食の際、徳田議員と木村代表の間の会話で都知事選挙には選挙資金として1億円ほどかかると言っていたので人ごとのように聞いていた。自分としては過去の石原前知事の選挙で3000万円程度で済んだと聞いていたので、自己資金でまかなえると思った」と話していました。
そのうえで、猪瀬知事は、その会食の席上で「『当時は有力候補も出てくるかもしれない状況で、小さな事務所を回していかなければいけないので不安がある』と話したら、木村氏が『そういうお金だったら貸してあげたらいいじゃないか』と話していた」と述べ、木村氏が徳田議員に金を貸すことを提案したと説明しました。
さらに徳田議員から電話で連絡を受けて5000万を受け取りに行く際にどのような会話や折衝があって受けとる金額が5000万円になったのか質問すると、猪瀬知事は「全く私にとっても唐突だった」と答えていました。
続いて質問にたった公明党の東村邦浩議員が、猪瀬知事が公表した借用書について「もともとなく知事があとで作ったのではないか」とただすと、猪瀬知事は「徳田毅議員が借用書を目の前に出したのでサインした。これは間違えのない事実です」と述べ、5000万円を受け取る際に作ったものだと説明しました。
また5000万円を受け取った翌日に都知事選挙への立候補を表明していることを挙げて、「選挙資金と思われてもしかたがない」のではないかと問い詰めると、猪瀬知事は「そのときは本当にそういうつもりではなかった。時系列的には疑われる可能性があるが、借りた金は貸金庫にしまい、選挙後の生活資金としてとっておくつもりだったので全く手をつけずにいた」と述べ、選挙の目的でないと強く否定しました。
ところで猪瀬知事は今回の問題の責任をとりたいとして「今後1年間、知事の給与を全額返上したい」と述べ、都知事の給与を返上する条例案を今開かれている都議会に提案する考えを明らかにしました。
都議会の総務委員会は2日間で10時間ほどに渡って質疑が行われる予定で、10日は共産党と民主党、それにみんなの党、都議会みんなの党の合わせて4つの会派が質問に立ちます。
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