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【ゴルフ】

優作泣いた、劇的ツアー初V 応援の藍も泣いた

2013年12月9日 紙面から

ゴルフ日本シリーズJTカップ最終日、初優勝を決め宮里藍(左)と抱き合う宮里優作=東京よみうりCCで(市川和宏撮影)

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◇日本シリーズJTカップ<最終日>

 ▽8日、東京都稲城市、東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)▽曇り、気温10度、風速3メートル▽賞金総額1億3000万円、優勝4000万円▽29選手▽観衆8065人

 優作勝った、泣いた! 藍も泣いた! 単独首位から出た宮里優作(33)が4バーディー、5ボギーの71とスコアを落としながらも通算13アンダーで逃げ切り、ツアー参戦11年目で念願の初優勝。2位の呉阿順(ゴ・アジュン、28)=中国=に3打差で迎えた最終18番(パー3)のピンチをチップインパーでしのぐ劇的勝利だった。国内メジャーであるこの大会を制し、2014年から3年間のシード権を獲得。賞金ランキングは自身最高位の7位に入った。

 まさにドラマチックなフィナーレだった。2位と3打差で迎えた最終18番パー3。念願のツアー初優勝を目前にした宮里優は大ピンチに陥っていた。第1打はグリーン左のセミラフとラフの境目。第2打は「トップ気味に」出て右のラフへ。ピンまで10ヤード。ここで、ミラクルな一打が飛び出した。

 「トリプルボギーも覚悟した」という状況でサンドウエッジを握った。「グリーンに乗ってくれれば。止まってくれ」の思いでショット。ふわりと上げたボールは数回バウンドしてカップに吸い込まれた。優勝を決める劇的チップインパーだ。勝利の瞬間、「腰が抜けた。一歩も動けなかった」。その場に両手をついて、泣きじゃくった。グリーンサイドで見守った妹の藍(28)、両親、そして紗千恵夫人(37)も、うれし涙を流した。

 決戦前夜は「眠れなかった」。1番では第1打を右崖下で隣の3番ラフにまで曲げる波乱の幕開けとなったが、ボギーにとどめた。その後は「ダブルボギーだけは打たないように」と心がけ、好調のパットを武器に逃げ切った。

 数々のアマタイトルを獲得し、鳴り物入りで2003年にプロデビューしたが、勝てなかった。今回で16度目の最終日最終組。過去15度は「硬くなって思うようにできなかった」。しかし、この日は途中で3連続ボギー(8〜10番)をたたこうが、「このコースは追う立場の方が苦しい。僕が崩れなかったら大丈夫。ネガティブなことは一切言わず、感情を入れずにプレーした」。今年6月の九州オープン(ツアー外競技)優勝で得た自信を胸に戦い、ツアー初優勝を手にした。

 アマ時代を含めて2位が6回と勝てなかった時期は「諦めようと思ったこともあった」という。その時に支えになったのは家族だった。07年10月に結婚した紗千恵夫人との間に1男1女をもうけている。今年4月に名古屋市内に移住した宮里優は「家族の存在が大きかった。モチベーションになりました」。

 これで3年間シードを獲得した。次なる目標は「まずは2勝目をすること。この複数年シードがあるうちにしっかり勝っていくこと」とキッパリ言った。 (櫛谷和夫)

 

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