国民性   (現在,編集中)

          last updated:Friday, August 05, 2011



 よく国際交流とか相互理解という言葉を耳にする。それは単に友好的な態度を取るだけでは達成されない。相手の文化を基層から分析して理解しなければ,理解はあり得ない。

企業が現地化するうえで,地元市場の文化を尊重することが重要である。現地化するための重要なポイントは,その市場で活動しているのだという認識と責任感を持ったうえで,市場に積極的に関わっていくこと。

 このページでは,世界各国の地域性と国民性を概括します。何はともあれ国の歴史と国民の考え方,気質を知ることが,この国を理解する上で重要です。

・個々の国の歴史に深く根ざしたもので,歴史が作り上げる社会通念と深い関係があります。

西欧に近代資本主義をもたらしたのは,腐敗したカトリック教会への抗議から生まれた,プロテスタンティズムの倫理だった。

 日本と中国,韓国は,なぜいつもぎくしゃくするのか。歴史・文化・風俗などとともに,地理学上の問題もある。
 例えば中国の長江は全長6380`,韓国の漢江が514`,日本の信濃川が367`。こんなところからも中国人がルーズで日本人がせっかちで,韓国人が両者の中間といった性格が表れる。

 他民族を擁した中国では,常に理念や政治イデオロギーが優先する。韓国も中国に類似するが,海洋国の性格を併せ持つ。   

 私たちの生活は便利になり,ほしいものは手に入れやすくなりました。しかしその一方では,世界のあちこちで多種多様な文化要素が不規則にいりまじり,これまでになく変則的な道筋をたどるといった,気がかりな現象もあらわれています。グローバル化の進行によって地域間・民族間の緊張と葛藤が激しくなった,とみることもできます。

B江戸幕府はオランダを西洋唯一の通商国とし,蘭学が発展した。1853年,浦賀への黒船の到来により,ペリーは巨艦と巨砲という物質的文化 を背景に幕府との外交に臨み,開国を獲得した。1868(明治元)年,明治天皇は「五ヵ条の御誓文」を発表し,「富国強兵」「殖産興国」が国是となった。明治初期に使節団を欧米に送り込み,モノ・コト(文物)の 視察調査を行った。明治の渡来人は,「お雇い外国人」というヒトであった。「モノ・コト・ヒト」の文化により,日本は「強兵」を旗印のもとに日出づる世界の列強国の仲間入りを果たした。幾多の戦争に勝利 したが,結局,第二次大戦は敗戦した。戦後,日本の国是は,強兵から富国政策への転換がなされた。日本のモデルは欧州諸国から豊かな新大陸アメリカへと変わって,専ら生産第一主義のもとに物質的文化を構築したためにエコノミック・アニマルと批判されたが,日本人は物質的文化を謳歌できるようになったことはたしかである。

 4 日本文化の特化

 四面を海で囲まれている日本は,古来から海外文化の影響を非常に強く受け,またこれを積極的に吸収し,自国のものとすることによって,世界のなかで独自の日本文化圏を形成してきた。

 今日,日本は成熟した経済社会の時代を謳歌しているが,日本人は質の高い日本の文化そのものを評価するべきである。従来,芸術などの文化は,どちらかといえば,経済とはお互いに別の離れたもの,あるいはお互い相容れない対立するものとの考え方がなされてきた。文化は,本来,利害を超越しているものであり,経済というメカニズムの歯車とは別の存在であると考えられた。文化自体は,人間の必需品ではなく,むしろ貴重な飾り物であるとの考え方である。経済と文化とをことさらに村立する考え方がなされがちであった。しかし経済と文化は,一方が優先されると,他方が犠牲になるという相矛盾するトレード・オフの関係にあるとばかりいえない。今日,成熟した経済社会の時代は,同時に質の高い文化をも包含するものである。いわゆる人間は本質的に効率性を追求するという経済人(homo economics)であると同時に文化人(homo culturalis)という二面性がある動物である。人間のなかにあってそれらは,個別的に分離・対立しているというよりも,双方が一体化・融合化して存在し,むしろ経済を媒体として文化的な充足が達成されると考えるべきでなかろうか。異なった要素同士の横並びの関係,つまり「経済の文化化」は,上下関係のヒエラルキー(hierarchy)というよりも,むしろ相互関係のヘテラルキー(heterarchy)と考えることが必要である14)。

 国際的な文化交流を主張すると,すぐ「その予算はだれが」あるいは「国がいくら出すか」という他力依存型の発想となる。しかし古来の文化の受容は,基本的には商行為を媒体として商人が世界各地へ伝播させたものである。商人による商取引とは文化の所産であり,その代償は文化の受容といっても過言ではない。しかし現代においては商業主義が蔓延するとなれば,文化論者は文化
を歪めると警戒し,猛烈に反対することになる。たしかに産業革命以降,交通手段の発達に伴い日本文化は,「商品の輸出によって,日本文化を世界へ」伝播させており,文化そのものが標準化・共通化することが多くなった。国際化情報化の進展は,日本特有の文化さえも全世界へと容易に伝播させたこともたしかである。

 現代の日本は,歴史の所産であり,伝統的な日本の文化の所産であると考えられる。日本人といい,日本文化といい,長期的な視野から見た場合,外来文明,外来文化,翻訳文化の影響を受けつつ,日本の日本たる文化は,東京に花開いた欧米文化が幕末以降,確立された。今日,東京を中心として展開されている日本の文化は,その根拠とするものは欧米の物質的文化,制度的文化であり,それに「追い越せ,追いつけ」と積極的に摂取・受容してきた。
 その場合,多くの日本人は欧米諸国の異文化に劣等感と憧れを抱き,反対に近隣アジア諸国の異文化には優越感と侮辱感を持ち合わせていた。欧米が優秀で主として憧れ,アジア諸国は劣等で蔑視するという上下の異文化意識があった。自民族の価値観で他民族について判断し,批判を加える自民族中心主義,いわゆるエスノセントリズム(ethnocentrism)の傾向があった。それでは健全な文化交流が行われないであろう。異文化コミュニケーションには,自文化と相手の異文化の相違点,共通点を客観的に相互理解することが大切となる。

 また多くの日本人は欧米の先進的文化を理解・摂取することに邁進するが,自文化を異文化の人々に理解してもらう努力を怠ってきた。いわゆる日本における文化交流は相互理解を目指した双方のコミュニケーションというよりも,一方向性の異文化コミュニケーションとなる傾向がある。双方のコミュニケーションを実現するために日本人は,まず「日本とは何か」「日本文化とは何か」「己れとは何か」「己れの町を誇れるか」というように自国,自地域ならびに己れ自身を理解すべきである。

 なお,今日,国際的な文化交流の時代でもあり,日本文化はもはや日本人だけの固有の所有物ではなくなった。それぞれの独自の文化が地球上に均質化し,共有化してしまう時代が到来するものであろうか。また日本特有の文化が,もはや世界共通の生活様式,行動様式となると断言できるであろう





文章

 話し方や文章のまとめ方などは,言語による特徴が見られる。日本語には日本語特有の文章構造があり,英文には英語を話す人々に良しとされる文章構造がある。
 日本語の文章では,多くの場合,書き手が一番述べたい点は「結論」として文章の末尾に置く。それに対し,英語の文章では,書き手の主張の要点は冒頭で打ち出される。
 すなわち,日本語では,多くの場合,書き始め部分では個々の状況的,具体的要件を1つ1つ詳細に説明し,読み手の同感,同調を誘い,書き手と読み手の共通認識を図り,最後に核心部分である自分の主張,言いたいことを提示するという話の筋書き(帰納法‥inductivepattern)をとる。
 英語の場合は,まず言いたいことをずばりと提示し,それに後から理由づけや補足をしていくという話の展開の仕方(演繹法‥deductivepattern)をとることが多い。
 
 こうした,違いが生まれた背景として,日本には「以心伝心」ということばがあって,細かく説明しなくても読み手はわかってくれるという甘え・期待がある。また,同質性の高い社会であるため,それほど細かく説明せずとも,お互いに理解できるという,社会風土も存在する。
 対して,英語圏ではアリストテレス以来の西洋の修辞法の伝統をくみ,自分と異なる意見を持っている相手をいかに説得するかに力点を置く。そこで,人を説得するのに最も有効な話の展開の仕方ということが常に頭に置かれている,する説がある。


英語

 なぜ英語の中には,ゲルマン系の語とラテン系の語2系列の語彙があるのであろうか。英語という言語は,インド・ヨーロッパ祖語と呼ばれる共通の起源から発生した1つの派であるゲルマン語派に属する。このゲルマン語派の中には,英語のほか,ドイツ語,オランダ語,デンマーク語,スウェーデン語,ノルウェー語などが含まれる。
 
 つまり,「英語」を話す人々は,元来はヨーロッパ北部に住んでいた。そして彼らは5世紀に現在の英国の中心部であるブリテン島に侵入し,先住民族であったケルト人(Celts)を追いやりこの国に住み着いた。これらの人々は,アングル族(Angles),サクソン族(Saxons),ジュート族(Jutes)からなっており,最初の2つの部族の名前をとって,これらの人々はアングロサクソン人(Angl0−Sax−ons)と呼ばれていた。また,3部族全体を指すEngliscと,住む場所という意味のlandが一緒になってEngla−landつまりEnglandということばが生まれた。

 英語の語彙の中で最も基本となる語の多くは,アングロサクソン人が話していたEngliscに由来する。たとえば,man,Woman,Child,house,food,eat,drink,fightなどである。
 6世紀の終わり頃,キリスト教がブリテン島にもたらされ,アングロサクソン人もキリスト教に改宗し,教会が建てられるようになった。教会で使われることばはラテン語なので,その後ラテン語起源のことばが英語の中に入って来た。たとえば,angel,bishop,Candle,Church,Priestなどである。

 英語史上大きな変化をもたらした一大事件が起きた。それは,1066年のノルマン人(フランス北西部に住むフランス語を話す人々)のブリテン島征服である。ウイリアム征服王はヘイスティングの戦いに勝利し,イングランド全土を支配下におさめた。こうして,フランス語を話すノルマン系フランス人が支配階級となったたことから,英語の中にフランス語が急激にかつ大量に入り込んだ。だが,被支配者階級である農民たちは依然として英語を話していたことから,英語の語彙の中に二重構造ができた。

 こうした歴史的経緯から,被支配者階級の使う英語本来の語(元をただすとゲルマン系の語)と支配者階級の使うフランス語由来の語(元をただすとラテン系の語)から成る二重構造が英語の語彙の中に存在するようになった。

  参考:「英語論文・レポートの書き方」上村妙子・大井恭子著 研究社

照葉樹林文化

 一時,照葉樹林文化という言葉がよく使われた。雲南,ラオスあたりから西日本にかけての,葉の照りが強い常緑広葉樹林 (照葉樹林) に覆われた地域が,精霊信仰,漆や焼畑,高床住居などといった共通の要素をもつ文化圏を形成している,という理論だ。


◆日本

 奈良時代の僧,行基が地獄極楽の存在を日本の庶民に伝えた。善行には善果があり,悪行には悪果がある。その思想はやがて,来世での仏の救済を信じて,現世において不当な利益を得るのを潔しとしない宗教倫理,経済倫理に発展した。

 多くの日本論や日本人論には,肯定するか否定するかの違いこそあれ,“日本人=集団主義”という切り口がある。ルース・ベネディクトの『菊と刀』,中根千枝の『タテ社会の人間関係』,そして土居健郎の『甘えの構造』しかりである。

・集団が基本となっている。
・欧米では損得だけで話せるのに,日本では善悪も必要になってくる。
・今,全世界でルイ・ヴィトンの商品七割ぐらいを日本人が買っていると言われるくらい日本人はブランド好き,ルイ・ヴィトン好きで。

日本の歴史をさかのぼれば,日本では江戸時代以前から土地という財産は農民あるいは村落共同体のものであり,政治統治権力は財産所有とあまり関係をもってこなかった長い歴史がある。したがって,財産が権力に直ちにつながるという社会通念が生まれなかったのであろう。

 アングロサクソンの社会には,財産権によって人間の運命を支配することを許容する,歴史的伝統の長さ,深さがある。日本にはそうした社会通念の歴史はない。ドイツもそうらしい。つまり,統治権力の正当性の感覚は,その国の歴史に深く根ざしたもので,歴史が作り上げる社会通念と深い関係があるように思える。


日米の経営者の違い
 米国では,取締役会がCEO(最高経営責任者)のボスです。一方,日本の会社は,通常CEOが取締役のボスです。大半が社内取締役で,通常はCEOが取締役を選んでいます。日本では,CEOは,経営の中心的存在です。
 日本の商法では,会社は株主のものと明確に規定しています。つまり,議決権をより多く持っている人が会社を決める「資本多数決主義」を取っています。
 日本の経営者の多くは,会社を家族とみなし,ステークホルダーを重視しています。
最近,企業間の持ち合い解消が進み,日本株の約半分が外国人投資家によって売買され,外国人持ち株比率も上昇し,株主の相当部分は,「会社は株主のもの」と考えるようになっている。

厚生労働省の研究班が40〜69歳の男女約9万人を長期間追跡調査した結果,男性では,アルコール摂取量が日本酒にして1日平均1合以上2合未満の人は,飲酒しない人に比べて,大腸ガンの発生率が1.4倍,1日平均2合以上の人は2.1倍にもなることが分かりました。 ちなみに,日本酒1合と同じアルコール量はビールで大びん1本,ワインでグラス2杯(240ミリリットル),焼酎で0.6合に相当します。

 日本が,海外からのビジターに開かれているとは必ずしもいえない。たとえば少し前のデータになるが,世界観光機関がまとめた1997年度版の『国際観光概観』では,日本は外国人を422万人しか受け入れていない。観光に関しては2100万人もの輸出超過である。
 同年の統計では,世界的に「観光大国」といわれている国々,たとえばフランスなどは年間6700万人の外国人を受け入れている。アメリカ(4900万人),スペイン (4300万人),イタリア(3400万人),イギリス (2600万人),中国(2300万人)と各国が続く。
 明らかなのは,各国の人口とビジターとの割合である。日本をあてはめるとすると年間一億人くらい受け入れて,やっとイタリアやスペイン波となる。

「日本人の国民性調査」のページ
このページは,統計数理研究所の国民性調査委員会が実施する「日本人の国民性調査」に関する情報提供を目的として作成されたページです。

はじめに:研究の目的と調査の経緯

 国民の意識(心情,価値観など)の変遷を統計調査で捉えることは日本社会の動向を知る上で非常に重要な課題です。統計数理研究所では,1953年から5年おきに「日本人の国民性調査」を行なってきました。この調査研究の目的は,同じ質問文で調査を繰り返すことによって,日本人のものの見方や考え方が時代によってどう変わるか(あるいは,どう変わらないか)を計量的方法に基づいて分析し,日本人の意識とその動向の特徴を明らかにすることにあります。
 昨年(2003年)9〜10月には調査開始50周年に当たる第11次全国調査を実施しました。調査は,全国の20歳以上80歳未満の男女個人を対象とし,層化多段無作為抽出法により選ばれた4,200人に対し,個別面接聴取法により行ないました。有効回答者数は2,350(回収率56%)でした。
 以下では,第11次全国調査から得られた主な結果を紹介します。

日本人の国民性調査

日本人,寿命は最長

 日米欧などの30カ国が参加する経済協力開発機構OECD発表の,「ヘルスデータ2008」によると,を日本の平均寿命は加盟国中,最長の82.4歳(2006年度)で,肥満度も最低と健康度が高い一方,喫煙率は最高だった。
 肥満者の割合は日本が24.9%(05年)と最低で,米国の67.3%やドイツ49.6%,イタリア45.1%に比べると極めて低い水準である。喫煙率は日本は26.0%(07年)で最も高く,スウェーデンは15.9%(05年),米国は16.7%だった。
 高度・高額な医療機器の設置数(対人口100万)は日本が92.6(02年)と突出し,米国は33.9,ドイツ
16.7。医師数(対人口1000人)では日本は2.1人で,平均3.1人より少ない;1人当たりの年間医師診察回数も日本13.7(05年)と圧倒的に多く,ドイツは7回(04年),米国は4回(05年)である。

歴史・経緯
 「日本人の国民性調査」は,統計数理研究所が行っている統計調査の一つで,日本人のものの見方や考え方とその変化を,社会調査によってとらえようとするものです。

 調査が始まったのは,戦後間もない1953年 (昭和28年) です。その後5年ごとに調査を繰り返し,50年目の2003年 (平成15年) に第11次調査を行いました。これらの調査は,基本的には同じ調査手法・同じ質問項目で実施しています。

 島国の閉鎖された社会に育った日本人は,初対面の人とのコミュニケーションに弱いと言われる。確かにパーティの場でも,日本人は自分の知り合いとは和気諸々とおしゃべりをするが,知らない人とはけっして言葉を交わさない傾向がある。
 日常のなかで,取りわけコミュニケーションの欠如を感じるのはエレベーターの閉鎖空間の中だ。たとえば米国で誰かがエレベーターに乗ってきたとする。ドア近くの階数を示す操作パネルの前に立った人がごく自然に,その新しく乗ってきた客に「ウィッチフロア?」 (何階まで?) と聞く。その筈がたとえば「サードフロアプリーズ」 (3階をお願い) というと「Ok」と短く
答えて3階のボタンを押す。そこからコミュニケーションがはじまることも多い。
 日本では多くの場合,新たにエレベーターに載ってきた人が無言で (あるいは小声で失礼とか言って) 人々の間から片手をぬっと差し出して自分が降りる階数のボタンを自分で押すというのが多いのではないか。前に立っている人たちはちょっと迷惑そうに手を伸ばした人を一瞥するが,もちろん無言だ。そこにはコミュニケーションは,生まれない。

日本代表の前監督,トルシエ氏は規律最優先で融通が利かない日本人選手を「赤信号だと車が通っていなくても道路を渡らない」と皮肉った。トルシエ氏はフランス人だが,ドイツ人も赤信号に構わず道路を渡る。

 日米両国の経済規模は,合わせて世界全体の36.9%。日米経済は世界中の経済活動の四割近くを占めていることになります。したがって,両国が緊密に連携して経済成長を実現していくことは,両国にとってのみならず世界経済全体の持続的発展のためにも不可欠です。

 中国が米国を輸出入の総額で追い抜き,日本にとって最大の貿易相手国となった。中国との貿易額は前年比13.4%増の27兆8744億円で9年連続の増加。なお,米国との貿易額は同1.6%増の25兆2449億円と停滞しており,貿易相手国としての中国の存在感が高まっている。









米国    The United States of America   外務省:アメリカ合衆国

371.8万平方マイル(962.8万平方キロメートル、50州・日本の約25倍) 元首 バラク・オバマ大統領
人口 3億406万人(2008年7月1日付 米国国勢局推定)

首都 ワシントンD.C.
言語 主として英語(法律上の定めはない)
宗教 信教の自由を憲法で保障、主にキリスト教
国祭日 7月4日(独立記念日)

  移民の国アメリカ。アメリカは「合州国」(本多勝一氏の命名)といわれるように,州によって,地域によって,生活習慣も法律や交通規則,刑罰さえ異なる国である。
 こうした背景から,アメリカ料理とは、様々な文化がミックスして出来上がった料理がほとんど。主にヨーロッパやアフリカの料理から派生している。最も有名なアメリカ料理ハンバーガーも、ドイツ料理のハンバーグをアメリカでパンに挟み、生まれた。

 世界最大の経済力を誇るアメリカ資本主義は,これまで多くの不況を乗り越えて今日に至っている。一般的にアメリカ資本主義は“ひと握りの裕福層と多くの貧困層”というイメージで語られる。このイメージは間違いではないが,この“ひと握りの裕福層”のすぐ下には,決して無視しえない層と心て“一定数の上位層”が存在していることである。そして,この“一定数の上位層”がアメリカ資本主義の消費を支え,アメリカ資本主義の“ダイナミズム”を演出に少なからぬ影響を及ぼしている。
 しかし,同時にアメリカ資本主義はその内部に多くの貧困層を抱えていることもまた事実である。特に,約780万人にもおよびワーキング・プアの存在は,世界最大の経済大国と,一生懸命働いていても豊かになれない人々との併存という,アメリカ資本主義の大きな矛盾を示しているのである。

サブプライム・ローンの特徴
 サブプライム・ローンは,一般的には低所得者向けのローンであると理解されている。しかし,それは必ずしも正確ではない。そもそも「サブプライム」とは,所得や過去の信用履歴等からみて信用力が高く,信用格付けでAに相当する「プライム」層に対して,それに含まれない人々ないし融資を表す分類である。信用格付けでいえばA,(Aマイナス)からDまでがこれに含まれる。信用格付けを下げる要因としては,過去の支払遅延や個人破産の経験等の他に,所得証明に不備があること(low−documentationあるいはno−documentation)や,担保に対する貸付比率(loan−to−Xalueratio:LTV)が高いことなどがあげられる。したがってサブプライム層の対象は幅広く,これらに何らかの問題がある個人は,所得階層にかかわらずサブプライム層に含まれることになる。

 米国は,中国のような途上国から工業製品を大量に輸入し,代わりにソフトを輸出している。

 多くの日本人の持つアメリカのイメージは,世俗的で,快楽的で,富を追求するアメリカである。事実,それはアメリカ社会の実像の側面の一つである。だが, 見落としてならないのは,もう一つの側面,「宗教国家」としてのアメリカである。

 それは,仏教とキリスト教といった宗派の違いではない。信仰心を強く持つ国民と,きわめて世俗的な国民の違いである。アメリカ人の8割はキリスト教徒であり, 全人口の約4割の人が毎週礼拝に参加しているという。
 なお,アメリカにおける政教分離とは,特定の宗教教団と国家の結びつきを禁止することであり(SeparatiOn Of Church and State),日本のように政治と宗教を分離する(Separation of Religion  and Politics)ものではない。一例を挙げると,アーリントン国立墓地では,群所属のキリスト強聖職者が7名いて,1日平均25件の埋葬を執行しているという。

 共和党の支持基盤である「宗教右派」と呼ばれる人びとは,多様性を認めない保守的なキリスト教徒である。宗教右派は有権者の18%。アフリカ系アメリカ人(黒人)の1・5倍の数を誇る巨大な政治勢力である。なお,宗教右派だけでなく,アメリカの中間層は信心深い人びとであることを見落としてはならない。アメリカ有権者の4割を占める中間層を形成する信心深い人びとは「福音派」と呼ばれるプロテスタント教徒である。

 以上の実態と数字が示すように,アメリカは日本にとって重要な石油供給地域である中東はイスラムと同様な「宗教国家」なのである。この実態を頭に置かなければ,アメリカをも理解することができないのである。

「アメリカの銃社会」

 アメリカ合衆国憲法は, “規律ある民兵は,自由な国家の安全にとって必要であるから,人民が武器を保有しまた携帯する権利を侵してはならない”と定めている(修正条項第2条)。

 米国人は自分たちの平均寿命がギリシャ,スペイン,コスタリカなどより低く,OECD加盟28カ国中,男性で22位,女性で19位だと聞くと驚く。健康な生活ができるかどうかを左右するのは,経済的なパイの大きさではない,その配分が問題なのである。世界で最も豊かで,世界一多くの医療費を使っている米国人の平均寿命が,世界ナンバーワンでないのもそのためだ。


 米国は経済先進国のなかで,経済格差のある国である。1999年の調査によると,全人口の1%にあたる上位270万人の税引き後の所得は,低所得の下位1億人のそれに等しい。米国人は他国民に比べると,所得格差に無頓着なところがある。結果の平等より機会の平等が大事――,という気持ちが強い国なのである。

  たとえば米国で誰かがくしゃみをすると,居合わせた人々はだれかれとなく「The God Bless you」 (神のご加護がありますように) と声を掛ける。そう言われると,くしゃみをした人は声を掛けてくれた人に向かってにっこり笑って 「Thank you」 (ありがとう)と感謝の言葉を言わなければならない。米国ではくしゃみをするとその衝撃で,魂が身体から飛び出してしまうと考えられているからだという。それで誰かがくしゃみをすると 「神のご加護がありますように」 との声掛の習慣ができたのだという。もちろん科学の進んだ現代でそんな話を実際に信じている人はいない。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は08年1月,全米12地区の景気情勢を示す地区連銀報告を公表した。11月中旬から1月7日までの米国経済について「緩やかに拡大を続けたが成長のペースは減速した」とし,昨年11月28日の前回報告時点より景気の減速感が強まったとの認識を明らかにした。
 12地区連銀のうち3連銀が「成長鈍化」と報告,7連銀が「緩やかな成長」,2連銀が「まだら模様」としている。
 報告は「個人消費が停滞している」との認識を示し,年末商戦についても「全体として期待外れだった」と指摘した。また,原油価格高騰の影響で大半の地区で自動車販売も前年を下回っている。

英国

 英国の再生は,強すぎる労働組合と決別し,外国の経営から,特に製造業については日本から多くのことを学んだことも要因の一つとなっている。

◆中国

 中国は,四大文明の一つである黄河文明の発祥の地である。古代から中世まで,中国は世界で有数の経済大国となっていて,生産技術の面でも世界をリードしていた。紀元前四世紀ごろには「シルクロード」がすでに出来上がっていたということからも明らかなように,対外貿易も盛んに行われていた。しかしながえあ,19世紀以降,欧米で産業革命が大きく発展し,経済成長をする国々が現れたことや,中国がアヘン戦争(1840年〜1842年)などの度重なる戦争や内乱に見舞われたこともあって,中国の国力は次第に疲弊した。

 1949年10月1日中華人民共和国政府が樹立され,政治条件が整ってからは計画経済の体制(社会主義計画経済体制)にのっとって中国の経済が行われてきが,1950年から1980年までの三十年間での中国が世界のGDPに占める割合は1%の増加にとどまっていた。

 だが,1970年代以降,「改革・開放」と呼ばれる対外経済開放政策を推し進め,株式制度を導入するなど市場経済を導入したことによって中国の経済成長は著しく加速した。



 中国外交部(外務省)姜瑜報道官は2006年に行われた定例記者会見で,「中国はエネルギーの消費大国であると同時にエネルギーの生産大国でもある。中国はエネルギー供給の保障を国内の基本方針とし,資源開発と省エネルギーを並行して行い,エネルギー利用効率の向上を重視する。また中国のエネルギー総自給率は常に90%以上を維持している」と語った。

 姜氏はまた,「中国国内のエネルギー供給潜在力は巨大で,一人当たりのエネルギー消費レベルはアメリカの8分の1にも満たない」とも語った。

 富裕層と貧困層の格差を示すジニ係数を見ると,2005年に経済協力開発機構(OECD)が公表した日本のジニ係数は0.31,米国は0.36に対し,中国社会科学院が発表が中国全国の都市住民の所得格差は0.4前後と高い水準にあります。また,中国で上位10%の高所得層と下位10%の低所得層の平均世帯収入の格差が約55倍になっているとの報告を,中国改革基金会国民経済研究所がまとめています。そして,「脱税や収賄など公式統計には表れないグレーな収入が国内総生産(GDP)の20%以上も存在する」などと指摘。格差拡大が社会不安増大につながりかねない情勢となっています。
 なお,中国政府が公式統計としているのは,全国の都市住民と農民の所得格差が3・3対1程度とする数字。2005年には上海に隣接する江蘇省で都市部の富裕層と貧困層の収入格差が最大で10・7倍と報告されています。
 ちなみに,ADB発表によるとインドの極貧層は3億2600万人です。 日本では厚生労働省が3年ごとに「所得再分配調査」に基づくジニ係数を算出しています。それによると,1987年の調査以来,ジニ係数は上昇傾向にあります。2002年の所得を対象にした調査では0.4983と,99年調査より0.0263アップ, 2005年所得再分配調査」によると,過去最大の0.5263と,初めて0.5を超えました。

 中国で一番評価が高い色といえば,熱烈,明るい,血の色,闘志,意欲などを連想する赤色である。中国共産党の党旗,中華人民共和国の国旗の色はもちろん赤であるが,お祝いに出すお金も赤い封筒に入れる。袖の下も「紅包」と呼ばれる。結婚式の基本色も赤だ。
 近年,自然,森林,平和,静寂,安全,環境にやさしいといったことを連想させる緑色の人気も高まっている。

 中国やインドなどBRICsと呼ばれる新興国の経済成長は,食料問題に大きな影響を与え始めている。経済的に豊かな層が現れたことで,食生活も豊かになっており,自国で賄いきれない分を確保するために輸入を拡大している。

 中国は90年代初めまでは穀物の自給率が100%だったが,94年から輸入国に転じ,いまや世界最大の食料輸入大国になった。

 中国国土資源省は最近,2006年に国内の耕地面積が約3067平方キロ・メートル減ったと発表した。 転用ペースは鈍化傾向にあるものの,中国の耕地の減少は,確実に進んでいる。 同年,農地開発などで約3673平方キロの耕地が新たに増えたが,一方で建設用地への転用,環境保護対策としての植林事業などで約6740平方キロの農地が失われ,全体的には大きなマイナスとなった。減少分のうち,建設用地にされたのは,神奈川県の面積をやや上回る約2585平方キロである。

 中国の半導体製造業はかつて短いブームを経験した。2005年から2006年にかけ,国内の半導体業界には「帰国ドクター+地方政府」という特有の産業発展モデルが出現した。常州納科や南通緑山プロジェクトがそその例である。つまり,長年半導体に従事した経験を持つ1人の海外帰国者が主導し,海外から資金を募り,同時に地方政府の政策と資本サポートを頼りとするモデルである。

「北京人愛国,上海人出国,広東人売国」というジョークがあります。なかなか的を得たことわざであるようだ。北京は政治の中心地ですが,北京の人の考え方というのは常に中国全土を背負ったところがあるようで,あまり地域性を重視しない,悪く言えば,自分が中国の中心だという自負があるようだ。

・日本との関係

 財務省発表の2007年分の貿易統計(確定)によると,輸出額から輸入額を差し引いた世界全体の貿易黒字額は前年比36.6%増の10兆7955億円で,3年ぶりに増加に転じた。

 輸入額は前年比8.6%増の73兆1359億円と5年連続の増加。輸出額も同11.5%増の83兆9314億円と6年連続の増である。

 地域別では,中国が米国を輸出入の総額で追い抜き,日本にとって最大の貿易相手国となった。中国との貿易額は前年比13.4%増の27兆8744億円で9年連続の増加。なお,米国との貿易額は同1.6%増の25兆2449億円と停滞しており,貿易相手国としての中国の存在感が高まっている。

▼中国経済の減速に危機感
 中国浙江省で起こった高速鉄道事故は,私たちを慄然とさせた。高架からぶら下がった車両の映像は世界中を駆け巡り,当局が行った慌ただしい車両隠しやその再発掘作業は,中国の殺伐とした陰の部分を暴露する出来事でもあった。

 中国経済は危険なバブル状態にあると指摘されて久しい。特に,中国の不動産バブルは繰り返し指摘されてきた。このバブルのために地方債務が巨大化し、景気が減速すれば不良債権化して金融システムを破壊するとの警告が,内外から発せられている。この議論に米国金融危機の到来時期を的中させたニューヨーク大学教授ヌリエル・ルービニも加わったことから,具体性を帯びてきた。

 中国における投資は、次第にその効果を減少させる「投資の壁」に突き当たると予想されている。ルービニによれば、交通インフラや工場への投資がすでに対GDP(国内総生産)比で50%を超えている中国は、過剰投資と不良債権の問題から逃れられず、「壁」に当たるのは2013年から2015年の間だという。

 これからの中国経済の減速は日本経済への大きな打撃になるだけでなく,日本が取り組まねばならない復興においても,海外への輸出に依存する道が,さらに困難になりつつあるという厳しい現実である。

◆ロシア   「飲酒大国」

 ロシア人男性の平均寿命が61.4歳(07年)と低いのも過度の飲酒が原因。この「飲酒大国」ロシアで,政府が反アルコール・キャンペーンを展開している。
 飲酒が人口減少の主因とされ,約40年後には約3分の2に減るとの予測もある。歯止めをかけるために「飲酒との戦い」が不可避だが,国による節酒政策はこれまでも失敗に終わっている。ロシアの“文化的習慣”を変えるのは容易ではなさそうだ。

▽国家的惨事
 8月の政府会議で衝撃的な数字が示された。国民1人当たりの純アルコール消費量は年間約18リットル。世界保健機関(WHO)が「これを超えると国民の健康に有害」とする目安8リットルの倍以上である。

▽若年層に拡大
 ロシアの人口は約1億4200万人で,毎年減り続けている。政府は50年に1億人にまで減少しかねないと予測,対策に乗り出した。
 国家統計局によると,アルコールの中毒症状による同国の死者は年間4万〜2万5000人。自殺(約4万人),交通事故(同)などと並び,病気を除く主な死因の一つ。アルコールが絡んだ自殺,交通事故も多い。08年のアルコール絡みの死者は7万6000人以上との指摘もある。
 
 

◆◆北朝鮮jと韓国の比較−−−2004年「統計でみた南北間の姿」

・1人当たり国民所得格差は15倍・韓国統計庁が南北比較
 南北の1人当たり国民所得格差は15.5倍,自動車保有台数の差は60倍――韓国統計庁の 「統計でみた南北間の姿」と題した,2004年の統計に基づく韓国と北朝鮮の南北比較によると,男女別の人口は韓国では男性が多いが,北朝鮮は女性が多く,南北が統一すれば男女の比率がほぼ均衡するという。

 韓国と北朝鮮の国民総所得格差は1990年以降,継続して拡大しており,2004年には32.8倍の差がついた。1人当たりの国民所得は韓国が1万4162ドル,北朝鮮は914ドルであった。

 自動車の保有台数は韓国が1493万4000台,北朝鮮は24万9000台。保有台数は70年と比べると韓国は百倍以上に増えたが,北朝鮮は3.6倍にとどまった。人口は韓国が4808万2000人,北朝鮮は2270万9000人。南北合計の総人口は世界で18位の水準になるとしている。

北朝鮮


韓国

韓国の人口5千万人突破


 韓国の行政自治省は,韓国の居住人口が2007年10月末現在で約5008万7000人となり,初めて5000万人を超えたと発表した。このうち外国人は約62万4000人。同省は「正式の国家として認定されている世界194カ国のうち24位の人口」としている。

 韓国で悲しいときに涙をみせ,男でも大声で泣くということは恥ずかしいことではなく,自然で礼儀にかなった行動である。

 1961年に朴正照政権が成立して以来,韓国は40年以上にわたる経済発展を遂げてきた。経済発展初期には発展途上国としての劣位性を補うために,政府主導,財閥主導,中央集権の開発体制を築き,NIEsの一角として著しく発展した。
 だが,90年代に入って韓国を取り巻く国際経済環境が変化する中で,高度成長期に形成された韓国の開発体制は,制度疲労を起こし,97〜98年に勃発した経済危機は高度成長期に潜在していた韓国経済の構造的問題点を露呈した。この危機克服を使命としてた金大中政権は構造改革を推進するに当たり,抜本的なパラダイムの転換を図かり,それまでとは異なる21世紀の発展戦略を模索する作業が官民挙げて進められた。その発展戦略は「知識基盤経済」の構築である。

 「知識基盤経済」とは,知識が各経済主体および国民経済全体の成果と競争力を決定する核心要素とする。新しい知識の創出と拡散,習得と活用を通じて,新製品開発や製造方法の改善などの形で現れるイノベーション(革新)を起こし,成長の基盤とする経済を指す。そしてイノベーションを実現させる能力を戦略的に培養していこうとするものである。

 この「知識基盤経済」の実現には,1)有形の生産要素(資本と労働)の投入に依存してきた経済成長パターンを,技術進歩により重点をおいたものに転換することが必要。2)知識の拡散という面では首都圏と慶尚南北道など一部地域に集中していた成長軸を他地域にも形成していくことである。すなわち,3)知識の創出と波及を促し,新たに得られた知識を産業技術として結実される革新性を国家単位のみならず地域単位での形成が求められる。
 






 韓国の16の広域地方自治体(9つの道,ソウル特別市,釜山など6つの広域市)の中で,10代による性犯罪の人口当たりの発生件数が最も多いのは仁川市である。仁川市では昨年,10代の人口10万人当たりで61件の性犯罪が発生し,ソウル市(37件)と光州市(36件)がこれに続いた。一方,大田市は10万人当たりで10件と最も少い。

 韓国では今,10代の強姦犯が急激に増えている。10代の人口10万人当たりの強姦犯の数を見ると,米国は6.0人,日本は1.1人であるのに対し,韓国は11.5人と,日本の10倍,米国の2倍である。この5年間の推移を見ても,米国は6.4人から6.0人,日本は2.1人から1.1人に減っているのに対し,韓国は7.3人から11.5人と大幅に増えている。 

サムスン重工業は世界2位の造船会社で,,建設や保険,証券,商社各部門は国内トップ。年商1600億ドルのサムスングループは他社を圧倒する韓国最大の財閥だ。97年の通貨危機後,分裂したり事業縮小したりする財閥が相次いだが,サムスンは成長を続け,現在韓国のGDP(国内総生産)の18%,輸出の21%を占めている。

「韓国歴代大統領と リーダーシップ」    金 浩鎮著  小針 進・羅 京沫訳  つげ書房新社4725円
    
 米国産牛肉輸入解禁がきっかけとなり,韓国の李明博大統領の支持率が急落した。任した。末期に支持率が低下した慮武銭前大統領の後,どこまで国民の期待に応えられるかが注目されている。本書は,政治家に求められるリーダーシップとは何か,という視点から,初代の李承晩大統領以降,帝国の歴代八人の政治指導者(うち一人は首相)の統治スタイルを分析している。
    

韓国「県民性」の旅 全羅道、慶尚道、忠清道、江原道、済州道歩いて感じる韓国人の心  /鄭銀淑/著 [本]

韓国「県民性」の旅 全羅道、慶尚道、忠清道、江原道、済州道歩いて感じる韓国人の心 /鄭銀淑/著 [本]

タイ

 日本の焼酎の起源といわれるラオロン(タイ焼酎)がタイより琉球王朝へ伝えられたのは,今から五百年ほどさかのぼるアユタヤ王朝の時代のことである。いわばタイは焼酎の故郷なのだ。 しかし,そのタイでのタイ産焼酎の評価は決して高くない。今やビールや洋酒がバンコクなどの都市部では主流になってきている。それでも,日本食がブームになったことで日本の焼酎を口にするタイ人も徐々に増えてきている。

 どこの地域でも隣国は気になるが,タイとベトナムは同じ東南アジアのハブ(中心)的な位置にあり,人口も土地面積も似通った規模で,働き者の多い国ということも共通している。このため両国民はお互いを意識しており,いわばライバルのような関係にある。

◆シンガポール

シンガポール共和国

1.面積:699平方キロメートル(東京23区(約700平方キロメートル)とほぼ同じ)

2.人口:約448万人(うちシンガポール人・永住者は361万人)

3.民族:中華系75.2%,マレー系13.6%,インド系8.8%,その他2.4%

4.言語:国語はマレー語。公用語として英語,中国語,マレー語,タミール語。
 「超」がつく複雑な言商環境である。中国君系,マレー帯系,インド帯系が暮らし,中国蕎系も福建語,広東語,客家語,海南語の方言集団に分かれている。建国者のリー・クアンユー元首相は,英語という外来帯を事実上強制することで巧みに言語問題を封じ込めた。

5.宗教:仏教,回教,キリスト教,道教,ヒンズー教

6.略史:1959年 英国より自治権を獲得,シンガポール自治州となる。
     1963年 マレーシア連邦成立に伴い,その一州として参加。
     1965年8月9日 マレーシアより分離,シンガポール共和国として独立。

 シンガポールは,世界中からの観光・集客を主題に改造してきた。「公園都市」という表現があるように,アジアにおける都市のテーマ化を先導する例である。西欧に対してはオリエンタリズムを強調し,日本に対しては買い物のメッカ,そして熱帯のリゾートなどを想起させる自己イメージの誘導を戦略的に展開し,たくみなシティセールスを実施している。
 シンガポールの戦略で注目すべき点は,いくつもあるが,たとえば観光という概念を,生活文化の提案に拡張している点にも学ぶべきことが多い。 

英ハートフォードシャー大のリチャード・ワイズマン教授が都市住民の歩く速度を生活ペースの目安として調べたところによると,世界で最もせっかちな都市はシンガポール,コペンハーゲン,マドリード。また,全世界的にみて人々の歩行速度は10年前に比べて10%速くなっており,特にアジアが顕著だとしている。

 ワイズマン教授は各都市の成人住民35人に60フィート(約18メートル)歩いてもらい,平均所要時間を調査。その上で,米カリフォルニア州立大の教授が10年前に調べた結果と比較してみた。
 それによると,最も速かったのはシンガポール,コペンハーゲン,マドリードの3都市。10年前との比較では,シンガポールが30%,中国の広州が20%も速まっていた。一方,速いと思われていた都市は比較的遅く,ニューヨークは8位,ロンドンは12位,東京は16位だった。




ベトナム

 ベトナムの歴史は,侵略,植民地支配の歴史である。中国と陸続きのため,中国王朝から幾度となく侵略を受け支配され,その後フランスの植民地時代(短期間だが日本も),アメリカとのベトナム戦争と,ベトナム人は戦乱の中を生き抜いて来た。

 お金の話になると,とたんに顔つきが一変するのがベトナム人だ。何が起こるかわからない,信用できるのは自分だけ,という根底にある心情が,お金の話となると,強欲になりがちである。紙幣が紙くずになるという経験をした国民だからこそ,少しお金が貯まれば銀行に預金しないで,貴金属に代えて身に付けるいうことも納得である。

  かつては経済の規模も同程度の時期があった。2006年のGDP(国内総生産)ではタイがベトナムの2.7倍の規模にある。ただし,ベトナム戦争(1959〜1975年)がなければ,こんなに差がつくことはなかったとの見方が多い。

 ベトナム経済は昨年,8.5%のGDP成長を遂げた。近隣ではタイの4.8%成長はもちろんのこと,マレーシアの7.3%,インドネシアの6.3%,シンガポールの5.4%,そしてインドの8.4%でさえベトナムに及ばなかった。

◆インド

  インドは経済規模では世界の上位12カ国に位置する大国だが、貧困層は総人口の4分の1を占め,40%は十分な教育を受けておらず,独特の社会制度や文化が強く残るなど二面性を有する国家である。

 08年3月,国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)は,インド経済は中期的には8.5─9.5%成長するとみられるが,原油・食品価格上昇による価格圧力が続く可能性があるとのリポートを発表した。
 UNESCAPは「インド経済の持続的な成長により,中期的には8.5─9.5%の成長が期待できるとしている。07年は8.7%の成長だった」と指摘し, 「08年のインフレ率を5%と予想する」との見通しも示した。
 

 金融危機が騒がれているが,アジアに関しては,短中期的に経済成長が減速することはあれ,長い目で見て成長のポテンシャルが落ちることはない,と見込める。
 アジアの消費市場は中国を中心に急拡大しており,今後は香港・台湾を含めたグレーター・チャイナと呼ばれる大中華圏,もう1つの巨大市場であるインド,そベトナムなどASEANを含めアジア圏に巨大市場が生まれるだろう。最近,日本企業が製造拠点として進出を考える時にアジアの各地域を比べるニーズが高まっているが,今後は消費市場としてもアジア各国を比べる視点が必要になる。今回は中でも「ポストチャイナ」の市場として特に規模が大きく注目される。

インドの巨大消費市場が最大のメリット

 企業がインドに進出する最大の理由は,インドが消費市場として非常に有力なことにある。中間層・富裕層に代表される潜在的な巨大市場とIT技術者を初めとする優秀な人材の活用にある。こうした人材は英語でのコミュニケーションができるため,グローバルに展開する際にも即戦力になる。

 また,生産拠点として,西アジア・中東・アフリカなどの市場へのアクセスが良いというのも今後は考慮していくべきだ。現状では課題も多いが,将来的にはインドを中東・アフリカ地域への輸出拠点とする可能性を示唆する企業もある。UAEなど湾岸諸国では,様々な製品需要が拡大している。例えば,ムンバイは地理的にドバイなど中東地域にアクセスしやすく,ドバイに在住する印僑の流通網も活用できる。世界の工場である中国から中東に輸出するよりも,輸送コストや時間面ではインドに優位性がある。

 インド進出のデメリットを整理してみる。第1は,生産コストが高いことである。人件費は中国よりも高い場合もあり,最近では従業員の給与も10%以上の上昇を見せている。また,インドでは部材を供給するサプライヤーの集積がないため,基本的には部品を日本,中国,東南アジアなどから輸入しなければならない。そこで,現状ではインドを中国のように輸出を念頭においた生産拠点としては見る企業は少ない。製造に不可欠な石油・水・電力などのコストも高く,電力が安定しないため工場内に自家発電装置の設置が必要である。

 第2に,道路・鉄道・港湾などのインフラが未整備なため,物流効率が悪く精密機械などを運ぶのが難しい点にある。国際協力銀行(JBIC)の2007年度海外直接投資アンケート(第19回)の調査では,最も深刻な課題としてインフラの未整備があげられている。

 第3に,用地収用に関わるトラブルがあげられる。インドでは,進出企業に税制優遇措置などを与える経済特別区(SEZ)を各地に設立する構想があるが,土地の確保のための農地売却を巡っていくつかの州で農民の抗議や暴動が起きている。そのため,進出したい企業があっても工場用地の供給不足が起こり,土地の価格が急騰している所もある。

 最後に,複雑な税体系にも触れておきたい。インドでは,州越境税・販売税・VAT(付加価値税)・関税等様々な種類の税金があり,その体系を理解するのは容易ではない。例えば,州を超えて物品を輸送する場合には,州境に設置されている交通当局の出張所で車両登録書類,通行証などのチェックをうけ,越境税,物品入市税などの納税が義務づけられている。



◆オーストラリア

オーストラリアの概要
 オーストラリアの総面積は,大陸と周辺諸島を合わせて769万平方キロ。世界で6番目に大きく,日本の約20倍の大きさである。内陸部のほとんどが乾燥地帯であり,人口の大多数がシドニーやメルボルンといった東部海岸沿いの都市,およびその近郊に集中している。

国の成り立ち
 探検家のジェームズ・クックがヨーク岬の沖の島に英国国旗を掲げたのが1770年。それ以来,オーストラリアは英国領土であった。1901年のオーストラリア連邦結成が実現した。

議会制民主主義
 オーストラリアの政治制度は,英国と米国をモデルにしている。連邦議会は下院(House of Representatives)と上院(Senate)の二院制で,議員は国民の選挙によって選出される。下院で過半数を獲得した政党(あるいは複数の政党)が政権を獲得し,閣僚は両院から任命される。

・地域特性
  日照時間が長い温暖な地中海性気候。汚染されていない自然の環境下,西豪州のライフスタイルは温かさ,親しみやすさ,素朴さに溢れている。特有の陸,海洋環境を包含した大自然は,国立公園や世界遺産指定・保護されている。
 また,オーストラリア先住民・アボリジニ生活域も指定神聖地域として守られている。 


◆ロシア

ロシアは世界最大の土地を有していながら,その首都モスクワでは不動産が不足している。昔ながらの開発制限がある一方で,富裕層が急増しているせいだ。最近では「モスクワのマンションは,南仏の保養地カンヌより高くなった」そうだ。

クロアチア

 クロアチアは,つま先立ちしながら翼を広げる勝利の女神,ニケのような形をしている。つま先には,「アドリア海の真珠」 と呼ばれる街,ドブロブニクがある。大きな巽は,首都ザグレブがある内陸部,小さな翼は,イタリアと隣り合うイストリア半島だ。ニケの体は全部,アドリア海に浸かっていて,海に浸りきらない衣のヒダが,誰が数えたか知らないが,1185の島となって海に浮き上がっている。






イギリス

 2004年におけるイギリスの一人当たり国内給生産は,日本を上回る値となった。イギリスは日本より豊かな国となった。
 第二次大戦後,イギリスの経済的地位は低下する一方だった。生産設備は老朽化し,社会階級の対立は激しく,経済活力は失われた。1970年代には,「英国病」とか「ヨーロッパの病人」と呼ばれるほどに状況が悪化した。73年の石油ショックがこれに追い打ちをかけた。 
 90年代の初め頃,イギリスの一人当たり国内総生産は,日本の半分程度であった。イギリス復活の要因として,国営企業の民営化や規制緩和,福祉制度の見直し,労働組合に対する対決姿勢などがイギリス復活の原因として指摘されている。
 加えて,80年代,製造業,特に自動車産業において,外資導入を進めた。日産自動車,,トヨタ自動車やホンダの工場もイギリスに誘致された。その目的は,工場建設で雇用を増大するだけではなく,日本流の工程管理手法や経営の仕組み,さらには労働組合めあり方などを学ぶ点にあった。


 人口動向も注目される。05年におけるイギリスの人口増加率は,過去40年間で最大である。これは,中・東欧からの移民が増長ためである。高齢化が進む一方で,移民を積極的に受け入れる政策が人口増を実現したのである。
 イギリスは,日本近代化の先生役を果たしてくれた国である。明治の初期,日本はイギリスの社会制
度を見ならうことによって,近代化と工業化を実現した。イギリスを見ならった時代から一世紀半近くがたち,われわれは再びイギリスから学ぶ時代を迎えている。



ドイツ

 アングロサクソンの社会には,財産権によって人間の運命を支配することを許容する,歴史的伝統の長さ,深さがある。日本にはそうした社会通念の歴史はない。ドイツもそうらしい。つまり,統治権力の正当性の感覚は,その国の歴史に深く根ざしたもので,歴史が作り上げる社会通念と深い関係があるように思える。
 日本代表の前監督,トルシエ氏は規律最優先で融通が利かない日本人選手を「赤信号だと車が通っていなくても道路を渡らない」と皮肉った。トルシエ氏はフランス人だが,ドイツ人も赤信号に構わず道路を渡る。  

 ドイツには,「始めるはたやすい。それを持続させるのはひとつの技術だ」ということわざがある。物ごとを継続する難しさを,逆手に取った言い回しである。日本の「三日坊主」と同じであろう。 中世以降のドイツでは,クラフッマンシップが産業の一側面を担ってきた。この結果,ドイツにおける物作りの「技術」は,つねに世界最高水準を実現してきた。「技術」は日本人の想像以上に高いものであろう。

フランス

 フランスは,フランス革命後も立憲君主制,帝政,議院内閣制とさまざまな政治制度をとってきた。現在のフランス政治体制は,第2次大戦での英雄,ド・ゴールによってつくられた「第五共和制」といわれる大統領の権限が大きく強化された政治体制をとっている。大統領は国民から直接選挙で選ばれ,任期は5年。首相の任命権,国民議会(下院)の解散権,法案などを国民投票に直接かける権利,非常事態での大権などを持つ。一方,内閣があり首相が存在するという,議院内閣制的な要素も持つ。

項目

2003

2004

2005

実質GDP成長率

       1.1

  2.3

1.2

名目GDP総額

15,948億ユーロ

16,590億ユーロ

17,100億ユーロ

ドル換算

17,9993,093万ドル

25993,556万ドル

21,2654,828万ドル


フランスでは,官僚養成の大学校を出ることがエリート官僚になるための必須要件となっている。特にENAという学校の卒業生は「エナルク」といわれ,超エリートとして官僚界で活躍,政界に転身する者もいる。

ジェトロ海外ビジネス事情-フランス基礎的統計:実質GDP成長率,名目GDP総額,国内総支出内訳,GDP産業別構成などを掲載

集団が基本となっている日本と違い,フランス,とくにパリでは,個人が基本である。

  飢饉,ペスト,多くの戦争を経験したパリであるが,物乞いの多い街でもある。パリの風景と物乞いが切っても切れない。

パリの人は冷たい,パリに限らず,フランス人はケチだ,とよく言われている。実際はというと,メトロの物乞いミュージシャンや街頭の物乞いに,気前よく小銭をあげる国はほかにないのではないか。 無賃乗車を見逃すバスの運転手や,物乞いに話しかける歩行者のように,弱者に対して,さりげない思いやりを示す人が多い。
 フランス,とくにパリでは,個人が基本だ。個人,という点では等しい重さをもっている。みなが自分の人生を背負って立っているから,物乞いであれ,必死に生きている他者を見たとき,ふとした優しさを覚え,こうした仕草をとるるのではなかろうか。

 日本代表の前監督,トルシエ氏は規律最優先で融通が利かない日本人選手を「赤信号だと車が通っていなくても道路を渡らない」と皮肉った。トルシエ氏はフランス人だが,ドイツ人も赤信号に構わず道路を渡る。

オランダ
 日本と違って農業への参入が自由で,農産物の輸入自由化が進んでいるオランダは,土地が狭いので穀物こそ輸入しているが,高付加価値の野菜や畜産物の輸出がめざましく,米国に次いで世界第二の農産物輸出国となっている。

フィンランド
 フィンランドでは,大半の林地が細分化され,無数のサラリーマン不在地主が分散して所有しているにもかかわらず,フォレスターサービスや,公共財としての路網設計の枠組みを国が提供しているために,林業経営者が林地を借入れて集約化し,高い生産性を誇っている。

アイスランド,ノルウェー,ニュージーランドなどの国々では,ある時点までは現存の日本と同様の漁獲管理をしていたので「共有地の悲劇」が発生し,周辺海域での資源量が激減したが,1980年代前半以降,経済学的に合理的な対策が行われて以降,資源回復がめざましく,若い漁民が参入している。

スペイン

スペインの国民的料理にパエリア(paella)がある。パエリアは,米と具材をスープで煮込んだ炊き込みご飯のようなもの。肉,魚介類,野菜,きのこなど,さまざまなものがパエリアには使われる。四季折々の土地の素材を使って作るため,スペイン各地には「お国自慢のパエリア」が無数にある。

◆ブラジル      

 2050年までに日本経済はブラジルに抜かれる−−。監査法人の英米プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が公表した50年の世界の実質国内総生産(GDP)予想で,新興国の躍進と日本の後退が鮮明となった。

 PwCは経済成長率が高い中国,インド,ブラジル,ロシア,メキシコ,インドネシア,トルコの7カ国(E7)を中心に分析。E7諸国全体のGDPは07年,米国の約6割に過ぎないが,50年には米国の3倍超に達する。筆頭の中国は25年ごろに米国を追い抜き,50年には米国の1.3倍となる。

 日本は現在,米国GDPの32%を占め,世界2位。しかし,50年には世界最大の中国に次いで,インドが米国の約9割に迫り,ブラジルが同26%となる。日本は同19%で5位にとどまる。ロシア,メキシコ,インドネシアもそれぞれ17%と日本逆転が視野に入る。E7諸国には膨大な中産階級が形成される一方で,中国がハイテク国家に脱皮すると見ている。 

生産様式の近代化で露呈ブラジルの熟練労働者不足roudousya

 ブラジルの企業が人手の潤沢な時代に将来の労働力養成に力を入れていなかったため,今の発展の時代に思わぬ困難に直面している。現在の失業率の減少傾向はブラジルにとって朗報ではあるが,これは熟練労働者の不足という暗いニュースをともなっている。数年前まで不景気で人員を減らしていた企業が,経溝の過熱により新たに能力ある労働者を雇い入れようとしてもできない。問題は今までの公教育への投資の不足のほか,生産構造の複雑化によるものである。今までの生産様式が近代化したことにより,労働者に単純な業務の履行以上のものが求められるようになってきた。このため,ある程度訓練された労働者がいたとしても,大きく変化をし続ける生産方法に対応するだけの人材の確保ができていない。ここ2年間,こうした状態が続いており,あるディーゼル・エンジンのメーカーのマーケテイング担当重役は「社内での技能訓練も行っているが,それでも要員不足をカバーしきれない」と語っている。

In Pictures: Emerging Global Cities          絵で見る世界の成長都市
 ・In Pictures: Global Superstar Companies  絵で見る世界のスーパースター企業


アフリカが歩き始めた

 かつて,アフリカは「暗黒の大陸」と呼ばれていた。しかし,アフリカは,最近,特に2つの理由で脚光を浴びている。
 第1は,テロやエイズといった文明の負の部分の温床として。第2は,経済的なアフリカの重要性から。特にアフリカの天然資源は,中国,インドを始めとする新興国の急速な発展が資源の風を世界中に吹かせるようになってから,格段に注目されている。

 中国は,ここ数年の間に胡錦滝主席がアフリカの14カ国,温家宝首相が8カ国を訪問している。日本はアフリカの27カ国に大使館を置くだけだが,中国は47カ国だ。狙いは石油や鉱物資源の確保にある。一昨年に北京で開いた中国アフリカ協力フォーラムでは,50億jという巨額の開発基金の設立が発表された。全世界に対する中国の援助の4割以上がアフリカに向けられている。まさしく戦略的ターゲットだ。
 そこで問題なのは,中国は資源さえ獲得できればいいわけだから,先進国が守っているDAC(OECD開発援助重点会)の国際援助規律に縛られることなく,カネを自由勝手に振りまいていることだ。渡す相手は,人権蹂躙国家だろうと,独裁者だろうと,お構いなしだ。

 たいして,日本はまじめに援助しているが,毎年の予算査定で削られ削られ,今や10年前に比べて4割減である。予算編成の「骨太の方針」の下で一律削減にあっているからだ。
 
 今,世界で起こっていることは,すさまじい勢いでの国家関係と経済競争の変化だ。アフリカの人口は9億人を超える。以前は人口の多い貧困地域では経済成長などおぼつかなかったが,今は逆に人口の多いところが伸びていく。アフリカの成長率はG8諸国よりも高い。アフリカが歩き始めた。



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