京都を破ってJ1昇格を決め、大喜びの徳島イレブン=国立競技場で
|
 |
◇J1昇格プレーオフ 徳島2−0京都
J1昇格プレーオフ決勝が8日、東京・国立競技場で行われ、今季のJ2で4位の徳島が3位の京都を2−0で破り、四国勢で初のJ1昇格を決めた。徳島は前半39分、DF千代反田充(33)がCKからヘディングで先制点を決め、その4分後にFW津田知宏(27)が追加点を奪って突き放した。
京都は序盤から何度も好機をつくったが決定力を欠き、4季ぶりのJ1復帰はならなかった。
悲願のJ1昇格が決まると、徳島イレブンの歓喜の輪が広がる中、途中交代したエースFW津田はベンチに一人座り込んだまま、うれし涙に暮れていた。
津田が輝きを放ったのは、先制から4分後の前半43分だ。右サイドバックの藤原が出したロングボールを高崎が頭でつなぐ。これに反応した津田は右足トーキックで押し込んだ。今季の京都戦3戦連続ゴールとなる追加点で、チームを勝利に導いた。
昇格プレーオフ導入前の2011年。徳島は自動J1昇格圏の3位と同勝ち点の4位で、12月3日の最終節を迎えたが、岡山に0−1で敗れ昇格を札幌にさらわれてしまう。あと一歩で大魚を逃し、大泣きした津田が、自身の力で悔し涙をうれし涙に変えた。
この試合も序盤から京都に圧倒され続けた。「最初20分間はどうなるかと思ったが、こんな力があるのかと驚くような試合をした」と小林伸二監督が振り返ったように、シュートは京都の13本に対し、わずか4本。苦しみ抜いた今シーズンを象徴していた。開幕3戦勝ちなしで20位スタート。だが7月3日の札幌戦に勝ってからは6連勝を含む12戦負けなしで、指揮官にとっては大分、山形に続く自身3度目のJ1昇格となった。
今季14得点の津田は下部組織からトップ昇格した名古屋グランパスでは、5年間でわずか6得点。だが10年にJ2徳島へ移籍すると、いきなりJ2得点ランク2位の16得点。DFラインの裏を突く動きでゴールを量産し、才能を開花させた。
「高校時代からお世話になった名古屋と、J1でやりたい。名古屋に行くのが楽しみです」。徳島の4年間での成長を、来季は古巣に見せつけるつもりだ。 (相原俊之)
この記事を印刷する