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改正民法成立 婚外子の遺産相続同等に
12月5日 0時56分

改正民法成立 婚外子の遺産相続同等に
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結婚していない両親の子ども、いわゆる「婚外子」の遺産相続を、結婚している両親の子ども「嫡出子」と同等にする改正民法が、5日未明、参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。

結婚していない両親の子どもいわゆる「婚外子」は、結婚している両親の子ども「嫡出子」の半分しか遺産を相続できないとしている民法の規定について、最高裁判所はことし9月、「法の下の平等を定めた憲法に違反する」という初めての判断を示しました。
これを受けて、政府はこの規定を削除し、「婚外子」の遺産相続を「嫡出子」と同等にする民法の改正案を国会に提出し、5日未明、参議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。
改正民法は近く施行され、最高裁判所の違憲判断が出た翌日のことし9月5日以降の相続にさかのぼって適用されます。
民法の改正を巡っては、自民党内に、「伝統的な家族制度を崩壊させる」などの慎重な意見がありましたが、改正民法が成立したことで、「婚外子」と「嫡出子」の相続の格差が解消されることになりました。
一方、参議院本会議では、政府が提出を見送り、民主党、みんなの党、共産党、社民党などが提出した、出生届に嫡出子かどうかの記載を義務づけた規定を削除する戸籍法の改正案の採決も行われ、賛成117票、反対118票の1票差で否決されました。

また一つ前に進むことができた

改正民法が可決・成立したことについて、裁判所で「婚外子」の相続格差をなくすよう求め、最高裁判所で憲法違反の判断を受けた和歌山県の40代の婚外子の女性は、「また一つ前に進むことができてよかった。子どもはみんな同じ価値を持っており、決して特別なことを訴えてきたとは思っていない。ようやく規定が変わったことは少し遅かったという気持ちもある」というコメントを出しました。
参議院の本会議を傍聴した婚外子の中田千鶴子さんは、「生まれた子どもには何の責任もなかっただけに、やっと法改正されて特別な気持ちだ。相続格差によって自分がずっと2分の1の価値しかないように感じていたが、初めて国から1人の人間と認められたのだと思っている。法律がなくなってしまえば婚外子への偏見はなくなっていくはずで、その第一歩になった」と話しました。
婚外子の母親で差別をなくすよう求める運動を続けてきた田中須美子さんは、「これまで国は出生届に嫡出子かどうかを記載する理由として、遺産相続の格差を挙げていたがこれが撤廃されたことで、差別的な扱いの根拠はなくなった。戸籍法の改正案も1票差だったこともあり、近い将来すべてが見直され、1人の人間として尊重される世の中になってほしい」と話しました。

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