とある学生の人生相談に乗っていて出てきた話。
「99%失敗するのはわかっているけれど、とりあえずやってみる」
先日、とある討論バラエティに出演したわけですが、ぼくは仕事を受けることを決めた段階で「まぁ、多分失敗するんだろうなぁ…」とある程度予測がついていました。で、収録を終えてみて、やっぱり個人的には「失敗」だったと痛感しています。
「朝生」「TVタックル」とかを想像していただけるとイメージがしやすいと思いますが、あの議論のやり方には、明らかに「慣れ」が必要です。数えきれないほどあの手の番組に出演しているであろう芸能人の方々と対等に張り合うのは、どう考えても分が悪い。
で、ぼくはそういうことを、事前にある程度予測していました。結果は予想どおり、やっぱりダメでした。まぁ、そりゃそうですよね、と。
なんて無駄なことをしているんだ、という批判を受けるのかもしれませんが、ぼくはこうした「99%失敗するのはわかっているけれど、とりあえずやってみる」という態度を、けっこう大切にしています。何かの機会をいただけたときは、失敗することが予想されていようが、とりあえずやってみます。で、ぼくの予想はよく当たるので、まぁ99%失敗します。
多分、普通の人は「99%失敗するのはわかっている」ときには、そのことに手を出さないのでしょう。だって、失敗するのは確実なんですから。
そういう態度はよくわかるのですが、こういう人たちは、リアルな失敗経験が色んな意味で「美味しい」ことを知りません。
ぼくは、事前に自分が失敗することをわかっており、案の定失敗しました。結果はほとんど頭で想像したとおりです。が、「実際に」失敗することによって、ぼくは自分の頭で考えていたことが、そう大きくは間違っていないことを立証することができました。この経験によって、ぼくが考える「失敗の法則」は、少し理論的に強固になりました。
また、想像だけで失敗をシミュレーションするのと、生で失敗するのでは、その「痛み」が違います。実際ぼくはお腹が痛くなりました。が、その分、反省は具体的に、強烈なものになるわけです。失敗というのは、身体性を伴ってこそ、内面化されるのです。
ついでにいえば、失敗はそれ自体「ネタ」になります。ぼくは今まさに、こうしてブログのネタにしているわけですから。「バラエティ討論出たけど、全然うまくいかなかったんですよ〜」という話のネタは、今回の失敗でぼくのなかに確実にストックされました。人に話す場合は、失敗体験の方がやっぱり面白いし、役立ててもらえます。
自画自賛するようでアレですが、この人はすごい!と思える人って、こういう「失敗するのはわかっているけど、とりあえずやってみる。実際に失敗して、あー、なるほどこういうことか、これはうまくいかなくて当然だよなぁ、と納得する」というプロセスを大切にしている印象があります。成功談ばかり語られるので、あまりそういう話は表出しないのですが…。
裏を返すと、いまいち頭ひとつ抜きん出ることができない人は「失敗するのはわかっているけど、とりあえずやってみる」というアクションを取ることができません。それは結局、失敗を恐れているからなのでしょう。
余力のかぎり、リスクの取れる範囲で、ぜひ「わかって失敗する」という経験をしてみてください。多分、それはあなたを成長させる一歩になるはずです。