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政治
【秘密保護法案】遅れる“スパイ天国”日本の法整備 知る権利確保になお不安も
2013.10.25 09:16
諸外国に比べて日本の秘密保護に関する法整備が遅れているのは、国民の「知る権利」の侵害を懸念する世論の反発が強かったためだ。
昭和60年、自衛隊スパイ事件に対応し、当時の中曽根康弘政権は特定秘密保護法案と同じ「国家秘密法案(スパイ防止法案)」を国会提出した。「日本はスパイ天国」(中曽根氏)との汚名返上を狙ったものの、「知る権利」の観点から反発が噴出、廃案になった。
近年では平成22年9月、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で起きた海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件の映像が動画サイトに流出。当時の民主党政権の仙谷由人官房長官は「捜査書類を流出させたのは明らかな犯罪だ」とし、情報保全検討委員会を発足させた。
だが、中国人船長が釈放されるなど政府の不可解な動きに加え、このときも「知る権利」を守るため映像を公表すべきだとの声が続出。政権不信も重なり、情報保護の法制化は実現しなかった。
スパイ防止法案の国会提出から28年。安倍晋三首相は特定秘密保護法案について、安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)を機能させる手段として位置づけている。「秘密厳守は大前提。どうしても必要だ」と強調する。日本独自の情報収集は限界があり、米国などからの情報が欠かせないというわけだ。防衛省幹部も「機密情報をもらう側の“防犯対策”がしっかりしていないと、提供する米国などから信頼してもらえない」と指摘している。
ただ、「知る権利」が確保されるのかとの不安感はなお拭えず、みんなの党の小野次郎氏は24日の参院予算委員会で、衝突事件の映像を流出させた海保保安官を取り上げ「こういう人をどう保護するのか」と懸念を示した。
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