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韓国で暴利むさぼるベンツが出した社会貢献案

韓国で暴利むさぼるベンツが出した社会貢献案

 11月27日午後、ソウル市麻浦区上岩洞にあるワールドカップ公園を訪れました。高さ12メートル、面積3830平方メートルの仮設の大型建築物が設置され、その前をベンツを代表する約60種の高級モデルが所狭しと並べられていました。メルセデスベンツが1億2900万-2億2200万ウォン(約1240万-2130万円)に上る最高級セダン「Sクラス」の韓国発売イベントのために設置した舞台でした。

 同日のイベントには、ロサンゼルス・ドジャースの柳賢振(リュ・ヒョンジン)選手をはじめ、女優のキム・ヘス氏、俳優のチャン・ドンゴン氏、イ・ジョンジェ氏など約1000人に上る各界の著名人が駆けつけました。また、ピアニストのヤン・バンオン氏が公演を行い、夕食には朝鮮王朝宮廷料理の履修者であるハン・ボクソン氏とWソウルウォーカーヒルホテルでシェフを務めるキアラン・ヒッキー氏が手掛けた韓定食のフルコースが用意されました。

 長い時間をかけて念入りに準備したのがうかがえました。しかし、同日ベンツが「韓国社会に対する寄与を強化する」と明らかにした内容は、こうしたイベントの規模とは打って変わったものでした。ベンツの親会社であるドイツのダイムラーグループのディーター・ツェッチェ会長は同日、「来年韓国に研究開発(R&D)センターを設置し、ディーラー会社と共に社会貢献基金も造成する」と発言しました。しかし、来年オープンするというR&Dセンターの規模は、従業員が3、4人にすぎず、一般企業の部署1個分に満たない水準であることが分かりました。社会貢献基金の造成規模も具体的に明らかにされませんでした。ベンツ側は「初期なので小規模だが、今後は徐々に拡大していく」と説明しました。

 自動車業界では、ベンツが提示した案は「にわか作り」なのではないかといった声が上がっています。最近輸入車ブランドの社会貢献に対する批判が絶えず、ベンツコリアのブリッタ・ゼガー社長が国会の国政監査に呼ばれ、「暴利をむさぼっている」との指摘を受けると、突然社会貢献案の作成に乗り出したというのです。

 ベンツは昨年、韓国国内で1兆ウォン(約960億円)以上の売り上げを計上しながらも、社会貢献の名目で算出した寄付金はわずか4億5000万ウォン(約4330万円)にとどまりました。これは最高級仕様のSクラスの2台分です。

 ベンツは2006年に約5000台だった韓国市場での販売台数を昨年には約2万台にまで引き上げるのに成功しました。ベンツが今後どのような歩みを見せるのか、消費者たちは見守っています。

鄭漢国(チョン・ハングク)記者
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