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国際
【風を読む】海外メディアは背を向けた「核声明」 論説副委員長・西田令一
外務省担当部署にも問い合わせたところ、報道が確認できたのは米地方週刊紙のみだという。それもしかし、10日ほどして米軍の弾道ミサイル発射実験予定を伝えた中で声明に1段落、触れているだけだ。
管見の範囲でだが、海外のメディアは声明をほぼ無視したと見受けられる。核大国も、他の核武装国も、日本以外の大所の非核国も名を連ねない声明に、実質的意味はないとの冷静な価値判断からだろう。
唯一の被爆国のメディアとして、声明と日本の連名をしかるべく取り上げることはあってもいい。
だが、声明が世界の核戦略のあり方に影響するかのごとき大扱いとなると、話は別だ。米国の核の傘もこれありで地域と世界の安定が保たれている現実から国民の目をそらし、「核なき世界」幻想を国内に振りまいてしまうようではまずい。
「海外メディアの沈黙」はそのことを教えているように思う。
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