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【新・悪韓論】ライダイハンを直視しているのか? 韓国女性閣僚による厚顔な国連総会演説

10.17
 韓国の趙允旋(チョ・ユンソン)女性家族相が先週末、すさまじい「妄言」を吐いた。場所は国連総会第3委員会だ。

 韓国紙から、その演説内容を拾うと、趙氏はまず、「なぜ、反人道的な犯罪が繰り返されてしまうのか。それは過去の犯罪を十分に清算できないからだ。過ちに対する反省や謝罪が徹底的にできなかったためだ。その端的な例がまさに慰安婦問題だ」と語り始めた。

 名指しこそ避けたが、「日本は反省せず、謝罪せずの国だ」という、韓国の政権の“伝統的思い込み”の披露だ。

 「ライダイハン」(=ベトナム戦争のころ、韓国の男性とベトナムの女性との間にできた子供。父親の大半はそのまま逃げた)に関する情報を「国軍の名誉を汚す」(朴大統領)と否定するばかりか、韓国・ベトナムの国交回復後は「新ライダイハン」を3000人も置き去り逃亡している国が、よく言えたものだ。

 趙氏はさらに続けた。

 「10万人以上と推測される人たち(慰安婦)のうち、韓国人生存者は56人。彼女たちは誰かによって集められ、ある国家の部隊に配置され、定期的に検査を受けながら徹底的に管理された。囚人のような生活を強いられた」

 韓国政府の関係者はかねて「韓国人慰安婦20万人」と言ってきたはずだが…。「誰かによって集められ」とは、「朝鮮人の斡旋業者により」の史実を学んだのかな。いや、「日本の名誉をおもんぱかってやったのだ」と、恩を着せるためだろう。

 それにしても「囚人のような生活を強いられた」とは、実態無視の“ファンタジー性奴隷”論の展開だ。慰安婦が当時、戦時売春婦として、日本兵を上回る高給を受け取っていたのは事実である。

 そして、趙氏は「慰安婦問題は特定の国家だけの単なる外交的な紛争ではない。人類の歴史に消えることのない傷を残さないよう、国際社会のさらなる関心や支持をお願いしたい」と結んだ。

 その通りだ。現在も世界各国に推定10万人超の慰安婦を送り出している《海外進出型売春大国》に、国際社会はさらなる警戒の目を向けなければならない。

 趙氏は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の、国会議員時代のスポークス「ウーマン」として活躍していた人物だ。前回連載で、尹珍淑(ユン・ジンスク)海洋水産相を「韓国唯一の女性閣僚」としたが、訂正したい。小生は、趙氏を男性だと思い込んでいた。「允」はときどき女性の名前にも使われるが、字で判断するのは難しい。そういえば、全斗煥(チョン・ドファン)時代には、「金玉男」(キム・オンナム)という女性政治家もいた。

 さて、委員会に出席していた日本の外交官は「すでに謝罪し、賠償についても解決している」と反論したというが、その声量はどうだったのか。韓国では一切報じられていない。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に「韓国人の経済学」(ダイヤモンド社)、「日韓がタブーにする半島の歴史」(新潮新書)、「悪韓論」(同)などがある。
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