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受賞作品
大賞
「さざなみの国」 勝山海百合


受賞者略歴

勝山海百合(かつやま・うみゆり) 1967(昭和42)年1月、岩手県生まれ、44歳。女性。神奈川県川崎市幸区在住。作家。2006(平成18)年、「軍馬の帰還」で第四回ビーケーワン怪談大賞受賞。2007(平成19)年、「竜岩石」で第二回『幽』怪談文学賞短篇部門優秀賞受賞。著書に『竜岩石とただならぬ娘』(MF文庫ダ・ヴィンチ)、『玉工乙女』(早川書房)など。


受賞のことば

拙作に賞をいただきありがとうございます。長く憧れの賞でしたが、長篇が書けず、デビューは短篇小説でした。昨年、初めての長篇を上梓したあと、勘が鈍らないよう長篇を書き始め、せっかくなので今まで眺めるだけだった高い峰に挑むことに決めました。書いているさなか、東北地方を地震と大津波が襲い、関東に暮らす私の生活にも影響を及ぼし、動揺しましたが、止めたら後悔するとわかっていたので書き続けました。書き上げることが出来て良かったです。恩師でSF同人誌ボレアス主宰の菅原豊次氏(嬉野泉)が受賞を喜んでくれそうな気がしますが、石巻市にお住まいの氏は三月の津波でお亡くなりになり、その声を聞くことがないのが残念です。


優秀賞
「吉田キグルマレナイト」 日野俊太郎


受賞者略歴

日野俊太郎(ひの・しゅんたろう) 本名:澤田俊太郎(さわだ・しゅんたろう) 1977(昭和52)年4月22日、東京都八王子市生まれ、34歳。男性。2001(平成13)年、京都大学文学部卒業。滋賀県草津市在住。進学塾国語科講師。


受賞のことば

この作品は、私がまだ地球の平和を守っていた頃に共に戦ってきた人々の姿をモチーフとして書き綴ったものです。事実は小説より奇なりという言葉の通り、小説では語ることのできないような奇妙な道を今まで歩んできました。私の人生を通り過ぎた沢山の出会いと別れが、こうして小説という額縁に何とか収まり、私に作品を生み出す楽しさを教えてくれました。枠からはみ出さんばかりの真実を確かな言葉で紡げるようこれからも精進して参ります。今までの出会いと別れに感謝。


選評

荒俣宏
小谷真理
椎名誠
鈴木光司
萩尾望都

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