[12.7 J1第34節 鹿島0-2広島 カシマ]
背番号9の右足が奇跡の逆転Vを呼び込んだ。サンフレッチェ広島のMF石原直樹が優勝のかかった最終節で2得点。2連覇を決めるゴールに「最高の気持ち」と満面の笑みを浮かべた。
前半35分、相手陣内でMF小笠原満男にプレッシャーをかけてボールを奪うと、MF高萩洋次郎の絶妙なスルーパスに抜け出した。GK曽ヶ端準も前に飛び出してきたが、石原は冷静に右足でボールを浮かし、貴重な先制点を奪った。
GKの頭上を越す鮮やかなループシュートに「あんなシュート、練習ではしてないけど」と照れ笑い。「形までは練習どおりで、最後の部分は落ち着いてGKを見ながらシュートを打てたので、そこはよかった」と振り返る。後半35分にはカウンターからMF清水航平の右クロスを右足でゴール右隅に流し込んだ。
チームにタイトルをもたらす殊勲の2発。「決めちゃいましたね」と思わず白い歯をこぼした。これで今季通算10ゴールでシーズンを終えた。「試合中は意識していなかったけど、2点取れて、目標としていた2ケタに乗せることができた」。大宮から移籍してきた昨季も32試合に出場し、7得点を挙げたが、シーズン終盤はベンチスタートが続いた(32試合中、先発19試合、途中出場13試合)。今季は出場停止1試合を除く全33試合に出場し、そのうち途中出場も1試合だけ。「今年はシーズンを通して試合に絡めた。その中で優勝を手にできてよかった」と、優勝の喜びも倍増だった。
それでも「天皇杯もあるし、まだまだ今年は終わっていない」とすぐに気持ちを切り替える。「リーグ戦をいい形で終われたので、この勢いを今度は天皇杯につなげたい」。22日には天皇杯準々決勝で甲府と対戦する。リーグ連覇に満足することなく、今度は元日決勝を目指して、残りのシーズンもまだまだ走り続ける。
(取材・文 西山紘平)
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