【広島】足立スカウト「将来は下部組織の選手だけで優勝」

　◆Ｊ１最終節　鹿島０―２広島（７日・カシマスタジアム）　広島が逆転で２年連続２度目のＪ１制覇を成し遂げた。敵地で鹿島を２―０で下して勝ち点を６３とし、前節まで首位の横浜Ｍが川崎市の等々力陸上競技場で川崎に０―１で敗れたため、勝ち点１差で上回った。Ｊ１での２連覇は４チーム目で通算５度目。日本代表ＧＫ西川周作（２７）は、チーム新記録の１５完封に導くなどＶ２に大きく貢献した。

　広島が西日本のクラブとして初の２年連続Ｊ１制覇を達成した。「ベースを作ったのは小野剛さん、ペトロヴィッチさん。でもサンフレッチェというクラブを作り上げているのは広島という街」。こう語るのは神戸、京都を経て広島に来て１２年目の足立修スカウトだ。

　情熱を傾けたのは地元との交流。毎週火曜日はクラブの全カテゴリーのスタッフと高校、街クラブの指導者の育成ミーティングを開催。クラブが２０年かかって築き上げた「人もボールも動くサッカー」のノウハウを惜しげもなく披露する。６年前から夏に海外クラブのユースを２チーム呼び、広島県選抜と対戦させている。広島ユースは練習試合を土のグラウンドしかない高校とも積極的に行う。選手獲得は成長を見守ることがモットー。ユースや広島の高校から関東、関西の大学に進んでも成長過程を観察し続けている。

　「将来は広島の下部組織の選手だけで優勝することが目標。そのために１０年、２０年後を見据えていきたい」と足立スカウト。Ｊ開幕から２１年。ぶれない信念が２連覇を呼んだ。