秘密保護法案:成立強行へ 自公与党が会期を2日間延長

毎日新聞 2013年12月06日 21時52分(最終更新 12月06日 23時10分)

衆院本会議で民主党(中央)などが反対する中、会期の2日間延長に賛成し起立する自民(手前)、維新、公明などの与野党議員ら=国会内で2013年12月6日午後6時18分、藤井太郎撮影
衆院本会議で民主党(中央)などが反対する中、会期の2日間延長に賛成し起立する自民(手前)、維新、公明などの与野党議員ら=国会内で2013年12月6日午後6時18分、藤井太郎撮影

 ◇民主党提出の安倍内閣不信任決議案、衆院で否決

 自民、公明両党は6日夜の参院本会議で、国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案の採決を強行する方針を決め、今臨時国会の会期を8日まで2日間延長した。「憲政史上まれに見る暴挙」と採決阻止を狙う民主党は、安倍内閣不信任決議案と森雅子同法案担当相の不信任決議案を衆院に、森氏の問責決議案を参院に、それぞれ提出したが、与党などの反対多数で否決された。国会周辺では市民団体などが、夜まで採決に抗議。政府による情報統制を強めかねず、国民の「知る権利」を侵害する可能性をはらんだままの同法案は、6日夜からの参院本会議で可決・成立する見通しだ。【小山由宇、阿部亮介】

 与野党は6日、秘密保護法案を巡る最終盤の攻防を激化させた。与党は野党による「引き延ばし戦術」を警戒し、同日の衆院本会議で2日間の会期延長を賛成多数で可決。6日夜の参院本会議採決を急いだ。

 自民党の石破茂幹事長は記者団に「(秘密保護法案の)採決を遅延する行動が取られれば、この対応もやむを得ない」と野党を批判した。公明党の山口那津男代表は世論の懸念を踏まえ「今後も説明責任を尽くす努力が必要だ」と述べた。両党は参院本会議で秘密保護法案の採決を強行する方針だが、前日に民主党が提出した、自民党の中川雅治・参院国家安全保障特別委員長の問責決議案が先に採決されることもあり、同法案採決は7日にずれ込む可能性もある。

 一方、民主党は国会審議の打ち切り強行や、与党の採決強行姿勢に反発。ほかの法案採決より優先で審議される内閣不信任案などを衆院に提出した。民主党の海江田万里代表は6日夜の衆院本会議で「国会を無視し、首相官邸の下請けのように扱う強権姿勢が、第1次政権と全く変わっていない」と安倍晋三首相を強く批判。内閣不信任案には民主、みんな、共産、生活、社民各党などが賛成し、与党と日本維新の会などが反対した。民主党が参院に提出した森氏の問責決議案はこれに先立つ6日午後の参院本会議で否決された。

 参院の秘密保護法案採決では、民主党などが反対する方針。与党と法案修正で合意しつつ衆院採決を退席した維新は、参院採決でも退席する構えだ。衆院で法案に賛成したみんなの党も退席するが、党内から法案に反対する造反者が出る可能性が高い。

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