1985年にいったん廃案となり、自民党が再提出を目指したが実現できなかった国家秘密法(スパイ防止法)案。これと比べても、特定秘密保護法案の周知や審議の進め方が拙速過ぎるとの批判の声が上がっている。

 86年に発足した自民党スパイ防止法制定特別委員会の委員長だった松永光・元通産相が言う。「今回は広報活動が十分でない。重要法案なら、北東アジアの情勢などの面から必要性をもっと説明すべきだ」

 自民党の議員立法として出されたスパイ防止法案。80年に1次案、82年に2次案が公表され、外国に秘密を漏らした場合の最高刑を死刑とした3次案の公表が84年8月。修正し、85年6月に国会に提出するまで10カ月の周知期間はあった。