5日に参院特別委員会で強行採決された特定秘密保護法案。与党は「議論は尽くされた」と強調するが、委員会審議の時間は衆院をあわせても70時間足らずだ。「拙速審議」との声が強い今回の国会運営を数字でたどり、検証してみると――。

■審議、消費増税の半分

 「まだ今日、明日、明後日と(6日まで)会期はある。議論を深める機会は十分にある」。安倍晋三首相は4日の党首討論で審議不足を指摘した民主党の海江田万里代表らに反論した。一方で、こう付け加えた。「どこかの段階で、やはり終局に至る」

 知る権利や表現の自由を脅かす恐れがある法案の審議は深まったのか。11月7日に議論が始まった衆院の特別委は26日までの約45時間、28日に審議入りした参院の特別委は約22時間で計67時間。衆院の45時間という数字だけでみると、消費増税関連法案(昨年8月成立)の約129時間▽郵政民営化関連法案(2005年成立)の約120時間▽教育基本法改正案(06年成立)の約106時間――に遠く及ばない。