今国会最大の焦点となった特定秘密保護法案について、各党は今夏の参院選でどう訴えていたのか。修正合意した自民、公明両党と日本維新の会は選挙公約でほとんど触れておらず、みんなの党も法制化の時期などは明示していなかった。有権者に争点を示さず、駆け足で成立を急いだとの批判は避けられそうにない。

 安倍晋三首相は臨時国会の審議で、同法案の必要性を何度も訴えた。4日の党首討論でも、民主党の海江田万里代表に対し「この法律は極めて必要性は高い。それを作らなければNSC(国家安全保障会議)は機能しない」と強調した。

 だが、自民党が6月に発表した参院選公約に「特定秘密保護法案」の文字はない。日本版NSCの設置は掲げてはいるが、「日本の平和と地域の安定を守る法整備」と記しただけ。公約と同時に発表した総合政策集にも「情報保全・公開に関する法整備」とのみ記し、具体的な記述はない。首相は国会冒頭の所信表明演説でも、同法案に言及しなかった。