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【サッカー】

広島 J1連覇 残り2戦5差から逆転

2013年12月8日 紙面から

◇J1最終節 広島2−0鹿島

2連覇を達成し、喜びを爆発させる広島イレブン=カシマスタジアムで(沢田将人撮影)

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 広島が最終節でひっくり返し、2年連続2度目のリーグ制覇を果たした。リーグ連覇は2007〜09年の鹿島以来4チーム目で通算5度目。初優勝した昨季のチームから森脇が浦和へ移籍。大きな補強をしなかった広島は後半戦に苦しみながらも、堅守で大混戦を制した。また、FC東京は今季限りで引退するFWルーカス(34)が先制点を挙げるなど2−0で仙台を破り、8位で今季を終えた。

 逆転連覇の吉報が届くと、主将FW佐藤はゴール裏のサポーターに向かって声にならない歓喜の雄たけびを上げ、背番号「10」を背負ったMF高萩は「言葉にならない」と、3000人超のファンの前で感極まっていた。

 「残り2試合で勝ち点5差。それでも誰一人あきらめずに一丸となって戦えた。入団したころは2桁順位、残留争いをしていたチームが2連覇。ここまできたのは感慨深い」。生え抜き最古参のMF森崎和は喜びをかみ締めるように、小さく笑っていた。

 優勝が懸かった最終局面。重い試合。MF石原が沈着に決め、豪快にとどめを刺した。その価値も大きいが、そこではない。「守備陣のおかげ。守備の質が上がり、守りが堅いから大崩れしない」(佐藤)。逆転連覇のまばゆい光りは、守備陣から差し込んでいる。

 驚異の数字は「29」。広島の総失点数である。1ステージ制になった05年以降、シーズンの失点数を20点台で乗り切ったのは2006年にリーグ制覇した浦和以来、これで2チーム目だ。7年前の浦和はその翌シーズンにアジア王者に駆け上がっている。今季はACLで1勝もできずに敗退。夏場には3連敗を含む5戦未勝利と失速した。それでも盛り返せたのは、「我慢強く、ぶれずに守れたから」とGK西川。昨季得点王の佐藤が徹底マークで得点を減らした中、最終防御網は15度目の完封で優勝に花を添えた。

 昨季は佐藤に引っ張られ、今季は守備陣が耐え、しぶとく踏みとどまった。佐藤は言う。「ストライカーとしては得点が少なくなったのをモチベーションにして、3連覇を目指したい」。至福の時もほんの一瞬。進歩に心を砕く飽くなき向上心こそが、逆転連覇の象徴だった。 (松岡祐司)

 

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