米国のロッキード・マーチン社は4日(現地時間)「韓国が次期戦闘機(FX)としてF35Aの購入を最終的に決定し、これを配備する場合、維持・保守のために日本や米国に移動することはないだろう」と表明した。また、軍事衛星プログラムや数十万ページに達するF35Aの技術関連文書を韓国に引き渡す意向も明らかにした。
ロッキード・マーチン社は4日、ワシントンで韓国の特派員らと懇談会を開き、上記のように語った。4日の懇談会は、F35A配備をめぐり、韓国国内で各種の問題点に対する世論の批判が高まっていることを意識して開かれた。
ロッキード・マーチン社のデビッド・スコット取締役(国際事業開発および顧客総括担当)は「韓国がF35Aを40機購入する話が最終的に決まったら、テキサス州にある工場で(機体を)生産し、完成品として輸出する。しかし、維持・保守など整備作業のため(F35Aが)韓国を離れることはない」と語った。韓国には組立施設がないので整備を日本に依頼しなければならない、という一部の懸念は、事実とは異なるというわけだ。
またスコット取締役は「契約が締結されたら、軍事衛星プログラムや数十万ページに達するF35Aの技術関連文書、FX事業を支援する専門の人材数百人の派遣など、数兆ウォン(1兆ウォン=約962億円)の代価相当分を『オフセット』の形で韓国に提供することになるだろう」と語った。オフセットとは、武器販売国が購入国に対し、技術移転やほかの武器の提供などを行う、一種の反対給付だ。
スコット取締役は「韓国がF35Aを導入する際の条件は、イスラエルや日本、あるいはF35Aの共同開発国と比べても劣らない」と語った。とはいえ、ステルス技術は米国が高度の機密として取り扱っているため、F35Aの中心装備は、韓国国内ではなく米国本土に移して整備が行われるという見方が多い。また、米国政府がステルスなど中心技術の海外移転を徹底してコントロールしていることから、ロッキード・マーチン社が実際にどの程度まで技術移転を行うのかについては、少し様子を見なければならないという指摘もある。
購入価格について、ロッキード・マーチン側は「韓国でF35Aの配備が始まる2018年の段階では、16年よりも安くなっているだろう」と語った。