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【産経抄】12月8日
▼だが議長の米国大統領、ウッドロー・ウィルソンは「こんな重要な問題は全会一致が原則だ」と一言で葬ってしまった。まるで事後法による裁きのような強引さだ。日本の牧野伸顕全権代表の抗議も及ばない。日本人が反米意識を強める一因ともなった。
▼くしくもマンデラ氏誕生と同時期、撤廃宣言がなされていたら人種差別の歴史はどうなっていただろう。後に南アフリカの白人政権があれほど厳しいアパルトヘイト(人種隔離)政策をとりえたか疑問だ。マンデラ氏も27年もの獄中生活に苦しまなくてすんだかもしれない。
▼特に日本人にとって真剣に考えたい歴史のイフだ。とはいえマンデラ氏の真骨頂はアパルトヘイト撤廃後、白人社会と和解した包容力にあるともいえる。それならどちらにしても、南アフリカの「国父」として尊敬されていたに違いない。
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