「納得できない」「強引だ」 秘密保護法成立・京滋でも不信募る
混乱の末、6日深夜に成立した特定秘密保護法。京滋でも、廃案や慎重審議を求める声を無視した採決強行に対し、市民らが「数の力で押し切るのは納得できない」「強引だ」と政府・与党への不信を募らせた。
京都市中京区の繁華街で法成立を知った会社員鈴木貴子さん(37)は「こんな時間にびっくり。外交防衛に関する秘密というが、対象が生活に身近な役所の情報まで及びそうで怖い」と懸念した。
大津市の大学院生崎山右京さん(29)は国防や外交に関してある程度情報の規制は必要とした上で「今の法では秘密の範囲があいまい。本当に安全保障上必要か、国が恣意(しい)的に判断したものか分からない」と批判。「強行採決は拙速で、国民にも十分説明されたとは言えない」と話した。
京都市内で法案反対活動を見た早野淳子さん(78)=上京区=は「強引な採決は許せない。国民の声に耳を貸さないのはファシズムの道につながる」と危惧。大学生の井上大輔さん(22)=左京区=は「外交交渉に秘密保護が必要なのは分かるが、永久に開示されない情報があれば民主主義といえない。難しい問題だからこそ慎重に審議してほしかった」と話した。
舞鶴市の職場へ戻る途中の会社役員志摩敏樹さん(50)は「国民への説明を欠き、数の力でごう慢に押し切るのは納得できない。何が秘密になるのか分からず、全て隠されてしまう。この問題はみんなが関心を持ち続けるべきだ」と憤った。
一方、中京区の街頭で知人を待っていた会社員粟津大成さん(46)=上京区=は「国会運営はかなり強引だが、今の日本はウイルス対策ソフトのないパソコンのような状態。必要な面もあるのでは」と一定の理解を示した。子連れで外出していた主婦安藤阿久里さん(33)=中京区=は「生活にどう影響するのか分からず、堂々と秘密にできる法律ができるのは怖いが、将来おかしなことが出たら、その時に法改正すればいい」と話した。
【 2013年12月07日 09時10分 】