郡山で福島復興連続シンポ 健康管理や除染に意見 「被災者優先の施策調整を」
福島復興連続シンポジウム「生活再建の課題」の第2回「放射線リスクと健康管理」は7日、郡山市の南東北総合卸センターで開かれ、医師や行政の担当者ら7人のパネリストが東日本大震災や東京電力福島第一原発事故に伴う健康管理や除染などに関する取り組みや考えを発表した。
福島民報社と毎日新聞社、福島大うつくしまふくしま未来支援センター、国際公共政策研究センター(CIPPS)の主催。
県の県民健康管理調査検討委員会の座長を務める星総合病院の星北斗理事長は「健康管理調査の調査結果について、隠していることがあるのではないかという疑念が出て、説明すればするほど信じない人は信じないという現状がある。不安を招かないように慎重な対応をしたい」との認識を示した。
県医師会の木田光一副会長は「子ども・被災者支援法」の対象地域について、法の理念に基づき、浜通りと中通りだけではなく「本県全域と近隣県などの年間積算放射線量が1ミリシーベルト以上の地域とすべき」と拡大を主張した。
亀田総合病院(千葉県鴨川市)の原沢慶太郎地域医療イノベーションプロジェクトディレクターは「住民の健康に対する不安解消には、検査結果を口頭で説明することが重要」と南相馬市立総合病院での勤務経験を踏まえて語った。
CIPPSの金子麻衣主任研究員は「放射線の影響は解明しきれていない。検査データを積み重ねることが復興への第一歩となる」と語り、政府が導入を目指す「マイナンバー」の活用を主張した。
伊達市の半沢隆宏市民生活部理事兼放射能対策政策監は「実際に除染をやると(放射線量を下げることに)限界はある。国の交付金の仕組みが問題で、医療の面などトータルでどこにお金をかけるべきか考えていかなければならない」と語った。
福島大うつくしまふくしま未来支援センターの石井秀樹産業復興支援部門(農業復興支援担当)特任准教授は「農作物の生産段階で放射性物質対策をしっかりした方が合理的。無用な内部被ばくを減らすことができる」と訴えた。
CIPPSの尾崎哲男主任研究員は復興に向けた各法令について「全体の統一性がない。政府が被災者の生活再建を最優先に施策を調整することが重要」と述べた。
毎日新聞社の冠木雅夫専門編集委員(喜多方市出身)が総合司会を務めた。
引き続き、CIPPSの田中直毅理事長の司会でパネルディスカッションが繰り広げられた。7人のパネリストが被災者の生活再建に向けて意見を交わした。
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