間違った意味で使われる言葉のランキング1位は「ハッカー」で、本来はコンピューターで不正行為をする人という意味はないにもかかわらず、そのように覚えている人が多い。小学館が調査結果を発表した。
この調査は小学館の国語辞典「大辞泉」編集部が2013年9月20―23日の期間、15歳以上の男女を対象に実施し、1200人から回答を集めた。編集部が選んだ50の言葉について「よく見かける、本来と異なる意味」と「本来の意味」を二択で提示し、前者の回答が多かった順にランキングにまとめた。
ハッカーについては、もともと「コンピューターやインターネットの技術にくわしい人」という意味で、不正行為をする人は意味しないが、後者として覚えている人の割合は77.4%と圧倒的(グラフ参照)。小学館によると、多くが「クラッカー」と混同しており、新聞、テレビの報道でもそうした使い方が見られる。
これに次いで本来の意味とずれて覚えている人が多かったのは「確信犯」で、そもそもは「信念に基づき正しいことだと思いする犯罪」だが、「悪いことであるとわかっていながらする犯罪」と思っている割合が73%。
3位の「他力本願」は、「自らの修行などによらず、阿弥陀仏(あみだぶつ)の力によって救済されること」という浄土宗の言葉だが、「人まかせ」という意味が68.8%。こちらは浄土宗や浄土真宗の各宗派などが本来の意味の周知に努めているが、後者が定着してしまっているという。
この他、言い間違いが多い言葉についても調べたところ、「間が持たない」がトップだった。本来は「間が持てない」とするのが正しいが、68.3%の人が前者の言い方をしているという。2位は「声をあらげる」で、本来は「声をあららげる」。63.9%の人が間違って使っている。
もっとも小学館では、言葉というものはそれ自体も意味も、時代によって移ろっていくため、必ずしも「変化」を「間違い」とは言い切れないとしている。
(植木 皓=ニューズフロント)