日展洋画、審査員に現金送付 入選求め事前運動が慣例に
朝日新聞デジタル 12月1日(日)10時17分配信
【青木美希、沢伸也】公募美術展「日展」の洋画分野で、主要会派の入選候補者が審査前に、応募作品の写真とともに現金や商品券を他会派の審査員に送っていたことが朝日新聞の調べでわかった。主要会派間で入選候補者を事前に推薦しあう慣行があり、金品は入選に向けて便宜を図ってもらう謝礼とみられる。
洋画の審査員は17人で主要7会派を中心に選ばれ、毎年10月に審査する。入選するには、他会派を含め半数程度の同意が必要だ。
審査員を何度も経験した日展幹部によると、審査員になると各会派が内部選抜した入選候補者100人以上から応募作品の写真が事前に郵送されてくる。約2千点の応募作品の中から事前に覚えてもらうためだ。「作品がよほど悪くなければ実際の審査で手を挙げる(入選に同意する)」という。この日展幹部はその大半に現金や商品券が同封されていたといい、「作品を事前に覚えるのに手間がかかるので、タダというわけにはいかないということだ」と自身も受け取ったことを認めた。
朝日新聞社
最終更新:12月1日(日)10時17分