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不安ぬぐえぬ米の対中姿勢

2013/12/7付
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 どんな同盟国でも、すべての問題で一枚岩というわけにはいかない。だが、互いの国益が左右されかねない重要な課題では、しっかり足並みをそろえるものだ。

 中国が東シナ海の上空に防空識別圏を設けた問題は、日米のそんな結束力を試している。

 バイデン米副大統領は3日、安倍晋三首相との会談で、この防空圏を黙認せず、共同で中国に対処していくことで一致した。翌日には中国の習近平国家主席にも同様の立場を伝えている。

 東シナ海の現状を力ずくで変える試みは容認しない決意を、ひとまず中国に示したといえよう。

 ところがそうしたさなか、中国に足元を見られかねない発言がワシントンから飛び出した。ヘーゲル国防長官と、米軍制服組トップであるデンプシー統合参謀本部議長による記者会見だ。

 「防空圏を設定すること自体は新しくも、珍しくもない。最大の懸念は一方的になされたことだ」。ヘーゲル氏はこう語り、日中韓に冷静な対応を促した。デンプシー議長も、最大の問題は中国が防空圏を設定したことではなく、厳しく運用しようとしていることだと指摘したという。

 運用方法を国際標準に改めれば、中国が決めた防空圏を受け入れるということだろうか。5日には一転、米大統領報道官が「防空圏を認めず、受け入れもしない」と言明したが、米国はどちらに軸足を置いているのか不透明だ。

 中国が運用を改めたとしても、日本はいまの防空圏を認めるわけにはいかない。尖閣諸島が含まれていることが最大の理由だ。

 防空圏の設定そのものは国際法上、違法ではないが、隣国の領空までその空域に含めるとなれば、全く別次元の問題である。

 米国は尖閣の帰属については中立を保ちながらも、それが日米安全保障条約の適用対象になるとの方針を明確にしている。尖閣上空を中国が防空圏に組み込んだことについて、米国にも強い問題意識をもってもらわないと困る。

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