2013年06月

2013年06月26日

手ごわい招致委員会の話

  ということで、今日は五輪の「敵情」について話をします。

 昨日も私は午後六時から某局に呼び出され、IOCが出した報告書の速読に追われました。一言で言うと、今回の報告書で三都市に差はついていません。東京の評価は決して悪いものではありませんが、他の二都市も最終選考に残っているわけですから、箸にも棒にもかからないものであろうはずがありません。

 実を言うと、東京の報告書には何箇所か「小さなトゲ」が刺さっています。ほんの小さなトゲで、浮かれている東京の招致委員会は見逃すでしょうが、実はこの点が致命傷になる恐れを秘めています。

 その後、私は番組からの要請でマドリードの招致委員会に電話することになりました。

 ちなみに、マドリードは「大会の開催は十分に可能だが、財政基盤に多少の不安あり」という評価でした。まあ、世界の誰が見ても納得せざるをえない妥当な論評でしょう。

 早速私はマドリードの委員会の代表番号に電話をかけ、「今回の報告書についてコメントがほしいので、スポークスマンを出してくれ」とお願いしました。

 すると、早速相手はためらうことなくスポークスマンの直通携帯番号を教えてくれました。

 この迅速な対応にも感心したのですが、スポークスマンはさらに見事でした。女性なのですが、仮にSさんとしておきましょう。

 私「今回の報告書をうけた第一印象はいかがか?」
 S「本日会長が話したとおり、私たち全員報告書の内容には満足しております。」

 私「財政面が不安とされているが、それに対してはどう応じるのか?」
 S「現状のスペイン経済が不調なことは事実ですが、七年もすれば好転します。それに、私たちにはスペイン政府、マドリード市政府などの全面支援がついております。ですから、財政面についてはご心配なく、と申し上げておきます。」
 
 かなり強気です。そして、自分たちの弱みをきちんと把握しており、その上で疑問に答えています。

 それから、私はダメもとで聞いてみました。

 私:「東京とイスタンブールの評価について、あなた方はどう思っているのか?」
 S:「両都市とも偉大な実績とプロジェクトを持っておられて、私たちは敬意を持っております。まだまだ、マドリードが追う立場だと思いますので、九月のブエノスアイレスまで全力を尽くすだけです。」

 てっきり、東京とイスタンブールについてのコメントは拒否すると思っていたのですが、きちんと答えてくれました。しかも、揚げ足をとられるような部分は皆無です。

 付け加えると、スペインの大手新聞では「IOC評価で、マドリードにいくつかの疑念が指摘される」という記事が掲載されており、浮かれているところが全くありません。

 マドリード、強敵ですよ。

 東京「失点」少なく、IOC評価
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=2480841

chairmantaka at 18:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年06月23日

永遠の0と日本代表監督の話

  ということで、今日はあの大ベストセラーとサッカー日本代表の話をします。
 
 先日のことですが、遅ればせながら小説「永遠の0」を読みました。実は、私の畏友の一人に元日本海軍パイロットがいました。もう亡くなりましたが、彼は二十時間以上にわたる一対一の対話を通じ、数え切れない貴重な証言と思い出を残してくれました。そのときの音源は、間違いなく私にとって一生ものの宝物の一つです。

 そんな私から見ても、この「永遠の0」は貴重であり、正確さも兼ね備えて一気に読ませる素晴らしい作品です。たしかに、これなら大ベストセラーになるのも当然だ、と心から納得させられました。

 これは作者の意図なのかどうかわかりませんが、この本からはっきりと浮き彫りにされるのは「今にも続く日本の弱点」です。現場がどれだけ奮闘しても、愚かな作戦を考案した上層部は責任をとらされることがありません。特にミッドウェーの愚かさ、そしてガダルカナルの酷さには絶句するしかありません。

 前にも書きましたが、私は「2020東京五輪は絶対に負ける」と言い続けております。私から見ると東京の委員会はミッドウェーに突っ走り、インパール作戦に突入していった面々と何も変わりません。本当は助けてあげたいのですが、あちらは聞く耳を持ちません。もはや処置なしでしょう。

 さて、話はここからサッカーに移っていくわけですが、今回のコンフェデの結果についてはここでは繰り返しません。一応、収入のうち約六割をサッカーからいただいている身として申し上げますが、私はザッケローニ監督を解任し、新監督を迎えるべきだと思います。

 なぜ私がそう思うようになったのか。理由は二つです。

 1、本田圭佑がいない場合、どうするのか。

 オーストラリア戦の前にブルガリアとの親善試合がありましたね。あそこで日本は完敗し、オーストラリア戦で辛うじて引き分けたわけですが、この二試合で明らかになったのは本田圭佑選手がいるかいないかで日本代表は全く別物のチームになってしまう、ということです。要は、本田選手がいなければ、前線でボールをキープできないのです。

 しかし、本田選手も人の子であり、当然来年の本番で怪我で欠場というリスクも考えておかなければなりません。もちろん、不調もありえます。「本田がいない場合、どうするのか」それから年齢を考えると「遠藤の後継者をどうするか」も考えるのが当然でしょう。今のところ、この答えがザッケローニ氏にあるように見えないのです。

 2、なぜ、イラク戦でベストメンバーだったのか?

 ブラジル戦でボロ負けしたとき、「遠征の疲労で・・・」という声がありましたが、ちょっと待ってください。「中東でイラク戦をこなし、そのままブラジルに直行」というのは昨日今日に決まった話ではなく、何ヶ月も前からわかっていたことでしょう。しかも、W杯出場はもう確定していたわけで、無理に勝つ必要などどこにもありませんでした。こういうときこそ主力を休ませて控え中心にして、チームの底上げを図るのが当然でしょう。

 言うまでもないことですが、私はザッケローニ監督には恨みもつらみも一切ありません。お会いすれば、間違いなくいいお友達になれると思いますし、今までの貢献、特にアジアカップの優勝は永遠に語り継がれるべきものと思います。それでも、先にあげた二つの疑問に答えていただけないのであれば、来年のワールドカップの指揮をお願いするわけにはいかないと思います。

 勝負で一番大切なのは、「勝つ」ことです。代表チームとはどこの国でも必ず「寄せ集め」です。クラブで四六時中一緒にいて、練習できる環境ではありません。ですから、私に言わせれば代表のサッカーに「美しさ」を求めること自体がそもそも間違いで、「国民のために何が何でも勝つ」この一点だけにこだわるべきだと思います。

 こういう話をすると、必ず「なら次は誰にするのだ」と聞かれますが、それはサッカー協会が全世界の監督候補者たちを面接し、上記にあげたものや他の専門的な質問をして、納得できる答えを出せた人にすればいいのだと思います。

 以上、日本サッカー協会の英断を求めます。
 

 岡崎弾で追撃も及ばず、日本はメキシコに敗れて3戦全敗で大会終了
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=138&from=diary&id=2477481

chairmantaka at 18:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年06月10日

一万メートルと千メートルの話

 ということで、本日は真面目くさって「米中首脳会談」の話をします。

 昨日は午前中に次の本の原稿を書き、昼前に美容院でカット、その後行きつけのジムでシャワーを浴びてから午後からはどこかのイベントでナンパでもしようかな・・・とチャラいことを考えていたところ、幸か不幸か一時半頃にいつものようにある筋から電話が入り、某テレビ局に呼び出され、見事に計画はおじゃんになってしまいました。

 私はときどき、”I'm too good for just one station"(オレは腕が良すぎて一つの局では抱えきれないんだ)と言いますが、それが決して冗談ではすまない今日この頃なわけです。

 そんな私に昨日与えられた課題は、「米中首脳会議」でした。

 カリフォルニアで行われたオバマ大統領と習近平主席のかなり長時間にわたる会談についてだったわけですが、この中に大統領と主席が通訳だけを連れて四人で庭園にて歓談する、という場面がありました。

 局からのご希望は「ここで二人が何を話しているか聞き取れないか」ということでしたが、残念ながらマイクがなかったのでそこまでは聞こえませんでした。

 しかし、戦慄の場面がありました。

 どうも、オバマ氏が「あなたは普段何か運動しているのか」と聞いたらしく、習氏が何事か中国語で答え、中国側の通訳が英語で「一万m」「水泳」と答えているのが聞こえました。

 ちょっと待ってください。何を隠そう私も毎日30分泳いでおります。25mプールを大体三十往復しておりますから、毎日約1500m泳いでいることになります。これくらいしていなければ、三十半ばになってこの体型と肌のツヤを維持できるはずがないではありませんか。

 しかし、私のペースで一万m泳ぐとなると、どう考えても三時間半はかかります。偉大なる大中華人民共和国の主席様にそんな時間があるのか。いや、その前に体力があるのでしょうか。

 年齢的に考えても、私より約三十歳年上のおっさんがそんなことをしているとしたら、もうどうやっても勝ち目はありません。もはや日本の将来は真っ暗ではないか。私は呆然としました。

 その後局に中国語通訳の方があらわれ、一体習氏はどう言っているのか聞いてみました。すると、泳ぐのは「1km」であり、習氏の通訳者のほうが間違っていたことが判明し、安心しました。

 もちろん、六十前後で毎日1km泳ぐのも大したものですが、それならまだ「想定の範囲内」です。安心しました。

 これならまだ、日本にも希望がありそうです。(ホンマかいな・・・)

 米中首脳が北朝鮮非核化への協力強化で合意、サイバー問題も議論
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2460649

chairmantaka at 11:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)