2011年07月

2011年07月25日

事故と再生の話

 ノルウェーに次ぎ、中国でも大変な事故が発生してしまいました。ということで、今日はかつて日本で発生した大事故の話をします。

 http://tinyurl.com/3l3xto9

 一部で中国で発生した事故に関して、色々言う方がおられるようですが、日本も決して笑えるような話ではありません。

 日航機墜落事故がおきたのは私が六歳のときでした。うっすらと記憶に残っている程度ですが、「坂本九さんが亡くなった」「十歳前後の女の子が家族の中で一人だけ助かったこと」だけは今もはっきりと覚えております。 

 この本の著者・門田さんは私が大好きな方の一人です。「ジャーナリストとは、他人のファイン・プレイを探して世の中に紹介する仕事だ」という言葉があるそうですが、門田さんはこの言葉をまさに実践しておられる方です。今までの著作はほとんど拝読しましたが、個人的に一番好きなのは根本中将を描いた「この命、義に捧ぐ」でしょうか。終戦時に内蒙古で邦人の命を守り抜き、のちに台湾へ渡り、共産軍を撃退した方の物語です。一時期、思うところあって私は満洲の歴史を調査し、宝田明さんをはじめ実際に引き揚げてきた方々にインタビューしてまわったことがありますが、だからこそ根本中将の功績は信じがたいものでした。

 本題に戻ると、事故で亡くなった方も苦しかったでしょうが、遺族の本当の苦しみはこれから始まるのです。一家の大黒柱が突然いなくなれば経済的に苦しくなりますし、このような形で突然妻子を失った方は生きる気力を失ってしまいます。実際に、この本の中でも息子一人を残して妻子全てを失った方がその後酒びたりになり、数年後に亡くなったという実例が紹介されています。

 そんなどん底から再び立ち上がり、大人になり、家庭を築いた何人かの男たちがこの本の主人公です。言ってみれば、現代日本の「夜と霧」だと思います。

 可能なら、この本が中国語に翻訳され、今回の被害者・遺族の皆様に届き、救いの光となることを強く希望しております。


 ■安全面に不安、輸出に影響か…中国高速鉄道事故
(読売新聞 - 07月24日 11:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1682551&media_id=20

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2011年07月23日

私の命の恩人の話

  ノルウェーで大変なことがおきたようですね。遠くからではありますが、被害者の皆様には心からお見舞いを申し上げます。

 ということで、今日は私にとって文字通りの命の恩人の話をします。

 http://tinyurl.com/3obta66

 中東情勢に詳しくない方でも、「ハマス」という団体の名前くらいはお聞きになったことがあるでしょう。著者のモサブ氏はその「ハマス」創設者の一人の長男として生を享けます。

 そういう環境なので、彼の父親も本人も反イスラエル闘争にかかわり、何度となく投獄されます。

 私は知らなかったのですが、イスラエルの刑務所ではハマスセクション、「イスラミック・ジハド」部門、といった具合におのおのの所属団体別に囚人を収監するようです。そこでモサブ氏は、ハマスのアホな実態を目の当たりにし、絶望します。

 そんなときに、イスラエルの国内警備を担当する諜報機関「シン・ベット」の担当者が彼に声をかけます。「よろしければ、私たちと一緒に働きませんか?」こうして、ハマス創設者の長男がイスラエルのスパイになるのです。

 常識で考えて、まさかハマス創設者の長男がイスラエルのスパイをやっているとは誰も思わないでしょう。当然のごとく、ハマスの情報が全てイスラエルに筒抜けになっていくのです。こうして彼は、いくつもの暗殺やテロを未然に防ぐことになります。

 彼が現役スパイだった時期は、私がイスラエルに滞在していた時期と完全に重なります。つまり、私がかの地で生き延びられた理由の一部は、彼の力なのです。

 私にとっては身近な話ばかりでしたが、詳しくない方のためにも巻末に人名・専門用語一覧がありますので、そこと照らし合わせれば読みやすいでしょう。

 賭けてもいいですが、この物語は間違いなくハリウッド映画になり、大ヒットすることでしょう。そして、私が現地に行ったからこそ知った、ヤセル・アラファトの正体が暴き出されています。

 イスラエルとパレスチナの闘争、イスラム過激派のテロ活動についてお知りになりたい方は、とりあえずこの一冊だけ読んでください。必要なことは、全て書いてあります。

chairmantaka at 09:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年07月21日

なでしことホープ(希望)の話

 ということで、今日は「なでしこジャパン」の話をします。

 あの日、私は少し早めに寝て、午前3時前に起きました。そして、歓喜の瞬間までを生中継で堪能することができました。改めまして、おめでとうございます。

 さらにおめでたいのは、これにより私へテレビ局からの仕事の依頼が入ってきたことです。これで、金輪際なでしこジャパンの皆様には足を向けて寝られなくなってしまいました。感謝しております。

 まあ、テレビ局側の依頼は「海外からの反応を集めてほしい」というありがちなものだったわけですが、なぜか英語・スペイン語に加えて韓国語の映像の字幕制作まですることになってしまいました。「映像は十秒くらいだからま、いっか」と思いつつ「英語とスペイン語はプロとして責任をとりますが、韓国語はせいぜいセミプロですよ。それでもいいのですか?」と何度も局側に念を押し、「それでもいい」ということだったので、引き受けることにしました。

 なお、私は担当分のオンエアは見ておりませんので、その部分が使われたかどうかは知りません。一応、仕事が終わったあとに韓国語がわかる友人に確認してみたところ、「大体あっている」とのことだったので、よしとしておきましょう。

 一部ではとりあげられているようですが、私がなでしこジャパンについて今後一番大切なことは、「サッカーできちんと食える、職業として成立する」ことだと思います。私に言わせれば「レジ打ちしながらサッカーを続けて金メダル」というのは美談でも何でもありません。その選手も自らのプレーでお客さんをひきつけて入場料を支払わせるだけのものを磨くべきだと思いますし、それ以上にチームのフロントやリーグがもっと力を入れて興行として成り立たせなければなりません。プロとは、「それを職業とし、一日24時間全てを職業にささげて、その上で圧倒的なパフォーマンスを見せ、お金をとれる」ものです。どう考えても、「レジ打ち」はサッカー競技とは関係ありませんし、役に立ちません。

 ちなみに、私が今回一番感銘を受けた選手は、USAのゴールキーパー、ホープ・ソロ選手です。試合中にひざを負傷しながらも、時間稼ぎやテーピングなどを拒否し、正々堂々と戦ったところにしびれました。ルックスも素晴らしいですが、試合後のコメントも人間性がにじみ出ている素晴らしいものでした。彼女こそ、女子サッカーに真の「ホープ」(希望)をもたらす選手なのではないでしょうか。

 あらためて、いい試合でした。いつか、男子サッカーでワールドカップ優勝が拝めますように。

 石原都知事激怒「国もバカ」なでしこ目が点
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1679100&media_id=8

chairmantaka at 14:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年07月02日

サブロー様の話

 ということで、今日は最近トレードで巨人に加入したある選手の話をします。

 大村三郎選手は、実は私も中学時代に所属していた「岡山シニアリーグ」の出身です。ただし、三年違いになるので一緒にプレーしたことはありません。したがって、私は立場上「サブロー」などと呼び捨てにすることは到底許されず、必ず「サブロー様」とお呼びしなければなりません。

 まあ、この岡山シニアリーグの裏話については、色々言いたいことがあるのですが、それはさておき、サブロー様のことは当然チーム内の伝説になっておりました。私がいた頃は、PL学園に進学されており、一度甲子園にチーム全体で応援に行ったこともありますが、あの人は絶対にプロに行く、というのが文字通り衆目の一致するところでした。

 生で目撃したわけではないのですが、サブロー様の中学時代の通算打率は、驚くなかれ、なんと七割五分だったそうです。要は、四回打席に立って三回ヒットを打つ、毎試合猛打賞だったということです。私の小学校時代は西武ライオンズの全盛期だったわけですが、あの頃のライオンズですら、ここまでの勝率は誇っていなかったのではないでしょうか。プロに行く、それも高卒でドラフト一位指名された人は、モノが違いますね。

 甲子園に行ったときについて、もう試合の中身も、対戦相手も全て忘れてしまっていますが、一つだけ強烈に覚えていることがあります。それは、「PLの二塁ランナーが、キャッチャーへのファウルフライで三塁に進塁したこと」です。フェンスぎりぎりのファウルフライで、キャッチャーは背中を向けて捕球することになりますが、その一瞬の隙を見逃さなかったわけです。甲子園の常連、そして無数のプロ選手を輩出してきた名門の凄みを見せつけられた思いでした。

 率直に言って、同じチームで同じ指導者に出会ったはずの私が全くダメだったことを考えると、「
岡山シニアリーグがサブロー様を育てた」わけではないでしょう。中学時代のサブロー様は、どこに行っても打率は確実に七割を超えていたでしょう。あくまでもサブロー様の生来の資質があり、その上に努力を重ねて今があるのだと思います。

 そんなこともあり、今後のサブロー様のご活躍を、強く期待しております。


 【巨人】「大村」で移籍初打席初本塁打
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1657785&media_id=8

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2011年07月01日

台湾からのしゃれたプレゼントの話

 ということで、今日は「台湾」の話をします。

 今からもう七年前になりますが、私は李登輝元総統と対面することができました。それは、私にとって、中学時代から数えて十年以上の念願がかなった瞬間でした。

 「お会いした」と言っても、多少の記念撮影と講演、そして数十秒の立ち話をさせていただいた程度ですが、あのときのことは今も忘れることはありません。

 私が元総統について存じ上げていることを少しだけお話します。

 李元総統の父上(故人)は地方議員でした。したがって、政治家としてやっていく上で色々な人間関係やしがらみができたことでしょう。現役総統の頃はあの手この手を使ってこの父上を通じて近づこうとする輩が多かったようです。

 しかし、李登輝元総統はある日、父親に対して「申し訳ないが、父さんが連れてくる人とは絶対に会わない」と言い渡し、父上も相当に憤慨しながらも、最後は息子の言い分を認めたそうです。

 李元総統の趣味はゴルフなのですが、いつもラウンドを共にするのは夫人か、大学時代からの何十年来の親友ただ一人だけだったそうです。

 したがって、私はこんな容疑はあほらしくて論じるに値しない、と考えております。

 ところで、今回の震災で台湾から莫大な額の義捐金をいただいたわけですが、さらに素晴らしい企画が用意されているようです。

 なんでも、宮城・岩手・福島の被災者を対象に、一千人を台湾へ二週間無料招待してくださるとのことです。

 私も被災した友人・知人にすすめてあげようと思っておりますが、もしあなたの周りにも被災者がおられたら、教えてあげてくださいね。

 詳細は、こちらから。
 http://www.go-taiwan.net/

 台湾・李元総統を横領で起訴
 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1656225&media_id=2

chairmantaka at 16:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)