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秘密保護法参院委可決 東北、不安や怒り響く

特定秘密保護法案の反対運動を展開する市民団体のメンバー=5日午後5時35分ごろ、仙台市青葉区一番町3丁目

 “数の横暴”に抗議する市民の叫びが各地に響いた。国民の基本的人権を脅かす恐れがある特定秘密保護法案が5日、参院国家安全保障特別委員会で可決された。野党の抵抗を押し切り、2度目の採決強行。「民意を無視するな」「自由を守れ」。国会審議が始まって1カ月足らず。数々の不安や疑問を積み残したまま、巨大与党はひたすら成立を急いだ。

 東北の市民団体や法曹関係者は、不安や危機感を訴えた。
 宮城県内の弁護士や市民らでつくる「STOP!秘密保護法ネットワーク宮城」は5日夕、仙台市中心部で街頭活動をした。野呂圭事務局長は「戦後最悪の人権侵害法案だ。政府への批判を言えない暗い社会になってしまう」と強調した。
 青森県の市民団体「核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団」の浅石紘爾代表は「原発や核燃に関する情報は全て秘密のベールに覆われるだろう。情報が開示されなくなると、原発や使用済み核燃料再処理工場が本当に安全なのか、確認するすべがなくなる」と懸念する。
 「良識の府」の審議は衆院と同様、採決が強行された。山形県労連などでつくる「秘密保護法反対山形県連絡会」の峯田博事務局長は「世論が反対や慎重審理を叫んでいるのに無理やり可決に持ち込むのは、それこそテロをやっているようなものだ」と語気を強める。
 自治労岩手県本部の組合員は公務員が8割を占める。斎藤健市執行委員長は「食品衛生などに特定秘密の範囲を広げられ、市民の安全を思って話したことが秘密漏えいになり、処罰対象になることもあり得る」と語る。
 司法関係者は、市民らに及ぼす悪影響を強調した。秋田弁護士会の江野栄会長は「政府が隠した都合の悪い情報を知ろうとしただけで逮捕されるような事態が、現実に起きるかもしれない」と危惧。仙台弁護士会の内田正之会長は「知る権利にマイナスになり、国会や行政へのコントロールが及ばなくなる」と指摘する。
 青森県弁護士会の源新明会長は「特定秘密の定義が不明確で報道に対する萎縮効果を生む。民主制の根幹を崩しかねない」と批判した。

◎福島原発事故「国情報隠し」/避難者ら「異議」

 福島第1原発事故が起きた福島県の首長や避難者は「国の情報隠しで無用な被ばくに見舞われた」との思いがあり、与党の姿勢に不信感を強めている。
 浪江町の馬場有町長は福島市で11月25日にあった公聴会で法案に反対意見を述べている。「原発事故時、緊急時迅速放射能影響予測ネットワーク(SPEEDI)の情報が公開されず、町民が無用な被ばくをした。拙速な議論で決めることではない」とあらためて異を唱えた。
 浪江町から福島市笹谷の仮設住宅に避難する主婦山本多美子さん(61)は「放射能に関する一番肝心な情報が国民に知らされなかった。国会議員と家族は全員、福島で生活してほしい」と語る。
 県議会の民主、共産など4会派は5日、「今国会で強行成立させることに反対し、廃案を強く求める」との声明を発表した。県議会の平出孝朗議長は「原発の安全に関する情報は『テロ防止に関する事項』に含まれないよう慎重審議を求める」との談話を出した。


2013年12月06日金曜日

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