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特定秘密保護法成立に福島から怒りの声

 「県民の健康や命を軽視しているのでは」「国は福島を見ていない」。特定秘密保護法の成立に、東京電力福島第1原発事故が起きた福島県では憤りの声が上がった。

 桜の聖母短大(福島市)の二瓶由美子教授は「国は福島を全く見ていない」と怒りをあらわにした。11月25日、衆院特別委が福島市で開いた地方公聴会で意見陳述者として「表現の自由には情報へのアクセス権が必要。法案は時の流れを逆行させる」と反対した。

 だが、その翌日に法案は衆院で可決。「決められたシナリオ通り。(福島の意見を聞いたという)アリバイ作りに利用された」との思いが強い。

 公聴会では、意見を述べた7人全員が法案反対や慎重審議を求める意見を述べた。「なぜ聞こえないふりをして国会で茶番劇のような採決をするのか」。市民の声に全く耳を傾けない公聴会の在り方が、今の国会の姿と重なる。「国会議員は、特権を持った特別な人間ではない。私たちの代弁者にすぎないのに、その自覚がない」

 福島市の借り上げ住宅で避難生活を続ける浪江町の紺野重秋さん(76)は原発事故後、放射線量が高い北西方向の山間部に一時避難した。当時、国は「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」のデータを公開していなかった。「後から高線量地区と知り、怒りで震えた」と振り返る。

 国と東電を相手に、事故の責任を問い賠償を求めた民事訴訟の原告団副団長を務める。「裁判で東電が内部資料の提出を拒むなど、すでに必要な情報が出されていない。法律によってより一層、重要な証拠が出づらくなるのでは」と危惧する。

 「安倍首相は東京五輪招致の際、原発の汚染水について『コントロールされている』と言った。事故の現場や避難者の感覚とかけ離れている。必要な情報が出されず、住民の健康や命が危険にさらされるのを、どうでもいいと思っているのでは」と疑問を投げ掛けた。(共同)

 [2013年12月6日23時50分]

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