バスはいつまで発車しないのか?
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チャンネルAJER更新しました。
『日本維新の会の皆様へ①』三橋貴明 AJER2012.12.18(1)
『日本維新の会の皆様へ②』三橋貴明 AJER2012.12.18(2)
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【2013年1月21日 羽島商工会議所 新春講演会】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#Hashima
【2013年1月31日 日本経済復活の会設立10周年記念パーティー】
http://tek.jp/p/meeting.html
【2013年2月1日 四谷法人会 三橋貴明講演会「日本経済を救う経済政策はこれだ 米中露韓経済戦争と尖閣・竹島」】
http://www.yotsuya-houjinkai.or.jp/information.php?id=172
【2013年4月6日 FUNAI MEDIAセミナー「アベノミクスで激変!日本経済はどうなる!?」】NEW!
http://www.funaimedia.com/seminars/seminars_main.html?data_id=287
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本日はチャンネル桜「報道ワイドウィークエンド」に出演いたします。キャスターのお仕事です。
http://www.ch-sakura.jp/hodo.html
今年初でございますね。
自民党がTPPについて「調査、分析、議論を時間をかけてやります」と言い出したため、TPP推進派が焦りまくっているようです。自民党は「政務調査会の各部会ごとに、TPPに参加した場合の経済効果や、農業や医療、それに金融・保険分野などへの影響について議論」した上で、「外交・経済連携調査会での検討」すると表明しており、焦らずに時間をかけて議論するとも表明しております。
要するに、アメリカに対し「TPP参加しない」とやるのも面倒くさいし、「TPP交渉参加する」なんてやったら、抜けられっこないし、これは「日本式曖昧戦術」でのらりくらりと引き伸ばし、バスが発車するのを待つか~、というつもりなのかも知れません。欧米式な割り切り大好きな人から見れば、
「そんなタラタラせず、NoならNoと言わんかい!」
と言いたくなるかも知れませんが、まあ結果が良ければ曖昧戦術もありではないかと。
アメリカとの関係に全く影響を与えず、TPPに参加しないというのは、これは難しいですね。無論、「アメリカ」といっても、アメリカの一部の勢力に過ぎませんが、それでも好んで波風立てるようなことをやる必要もないでしょう。
問題は、
「さっさとバス、発車してくれないかなあ・・・・」
と眺めていても、バスがいつまでたっても発車しないという話です。
【TPP関連諸国のGDP2011年版(単位:十億ドル)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_40.html#TPP
P9諸国に日本、さらにカナダ、メキシコ、タイを加えた諸国のGDPをグラフ化してみました。相変わらず、日米両国で八割弱を占めます。アメリカにとって、美味しい市場は日本しかありません。
「いや、カナダやメキシコなど、比較的経済規模が大きい国が加わったじゃないか」
などとバカなことを言い出さないで下さいね。アメリカはカナダ、メキシコとはすでにNAFTAを締結していますので、両国がTPPに加盟しようがしまいが、経済効果の面ではどうでもいい話です。
逆に、カナダ、メキシコ側からすれば、今までは二カ国でアメリカに対していたのが、十カ国近くお仲間ができるわけで、TPPに加盟する価値はあります。いじめっ子に、いじめられっ子が集団で立ち向かう、という話に過ぎません。
というわけで、アメリカが待ち望む日本がTPP交渉参加しない限り、バスは(なぜか)我々の目の前でいつまで経っても出発せずに待っているように「見えます」。そして、延々とTPN(Trans Pacific Negotiation)を続けているわけです。
TPPをTPN化し、発車時刻を引き延ばしつつ、アメリカ(というかアメリカのグローバル資本)は配下のこの人たちを使って、「政治的圧力」をかけるわけです。
『経団連会長「TPP強力に推進して」と石破氏に
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130116-OYT1T01156.htm
自民党の石破幹事長と経団連の米倉弘昌会長らは16日午前、都内のホテルで意見交換した。
米倉会長は「新政権は、TPP(環太平洋経済連携協定)を始めとする経済連携の推進も含め、重要課題を強力に推進してほしい」と、TPP交渉への早期参加を改めて求めた。経団連側からは「エネルギー政策の道筋を早急に決定すべきだ」などの注文が相次いだ。
また、石破幹事長は、このところの円安基調について「円安になって困る産業や企業も出てくる。どの辺り(水準)がいいのか、ある程度考えなければならない」などと発言した。』
前から何度も書いていますが、米倉氏は「一体何の権利があって」政治家に政治的圧力をかけているのでしょうか? 経団連という「既得権益」の代表として政治を歪めるべく圧力をかけているならば、それは単なるロビー活動です。農業団体や医師会などが政治家に意見を届けているのと、何ら変わりはありません。
ところが日本のマスコミは、米倉氏が「TPP強力に推進しろ」とやると、
「TPP交渉への早期参加を改めて求めた」
と書くくせに、農協や医師会が「TPP参加反対」とやると、
「既得権益にまみれた薄汚れた団体である農協や医師会が、政治家にTPP参加しないよ圧力をかけた! ムキーッ!!! 既得権益の政治活動を許すな!(多少脚色)」
と騒ぎ立てるわけです。本当におかしな話でございます。
さて、円安が進んでいます。すでにピーク期から10%以上も円が安くなったわけですが、ということは、対米輸出において10%超の関税を撤廃してもらったのと同じ効果になります。TPPに入ったところで、アメリカの市場で「乗用車(2.5%)」「家電(5%)」の関税を撤廃してもらうに過ぎませんが、すでにしてそれ以上の輸出促進効果が出いているわけでございます。
逆に、TPPに入った場合、国内の競争が激化します。日本企業は国内企業のみならず、外国企業とも「ガチで」競争をしなければならなくなるわけです。結果的に、物価が下がります。すなわち、デフレ促進です。
デフレが促進されると、円高が進みます。TPPによるデフレ促進で、わずか5%の円高が進んだ場合、アメリカでの関税撤廃効果はキャンセルされてしまうのです。輸出企業の皆様、この現実、分かっています?
というわけで、日本が進むべき道は明らかです。アメリカに「TPPに参加しない」と言いたくないなら(言っても一向に構わないと思いますが)、バスが発車するまで延々とグダグダを続けることになります。そもそもバスは「一昨年」のうちに発車するはずだったわけですが(日本の新聞報道によると)、「なぜか」一向に出発しません。
なぜ、いつまでたっても出発しないんだろう・・・・。と、考えるのが当たり前だと思うわけです。
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経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座!
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Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
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