- ――まどかは、原作にはないオリジナルの設定ですが、どのように演じていらっしゃいますか？
- 最初にお話をいただいた時に、真琴さん演じるヒロインを威圧していじめ倒すという役回りだとうかがって。そういう人間の嫌な部分を掘り下げていくという作業は、演じる上で深くて面白いので、女優としてやりがいのある役だと思いました。
今回は65話とお話が長いので、そういう部分だけでなく、まどかのコンプレックスや、心に抱えているものが徐々に表面に出てきます。人間として厚味を帯びてくるまどかの人物像を、しっかりと演じなければいけないというプレッシャーもありますし、楽しみでもあります。
また、お昼ですのであまりシュールになりすぎないように、ドラマを見てくださる方が、「リアルだけど、どこか笑っちゃう」と思っていただけるような、そういうところが各所に出ればいいですね。
- ――陽子に負けず劣らず、まどかにも次から次へと大変なことが起こりますね。
- 本当に、もう大殺界かっていうくらい(笑) まどかは、世の中のことをあまり知らない人なんじゃないかと思うんですね。“こうあるべき！”という、型にハマることの心地よさや、その中で自分はどうあるべきかという理想像の中で生きていて。
そこに、いきなり自分とは全く違うペースの陽子さんが踏み込んできて、自分の中に封印していたものをかき乱されてズタズタになってしまう。でも、それによって心のウミを出して、また成長していく…という物語なので、人と人との関わり合いというものは面白いなと、このドラマを通じて改めて感じました。
- ――その陽子を演じる真琴つばささん、そしてPTA会長・上条を演じる小林幸子さんの印象はいかがですか？
- 真琴さんは、素晴らしいですね。あんなに出ずっぱりで、セリフもたくさんあるのに完璧で、NGも出さないですから。ありえないくらい、すごいです！
小林さんは、優しく、強く、厳しく、本当に上条さんの役がピッタリです。これから、上条さんの抱えているものや、弱い部分も明らかになってくるので、みなさん楽しみにしていただきたいです。
- ――PTAに関しては、ドラマを通じてイメージが変わりましたか？
- 「PTAは子どもを人質にとられているようなもの」というセリフがありますが、そういう感覚はPTAならではものですよね。子どもの世界を狭めたくないし壊したくない、居心地よく伸び伸びと学校生活を送ってもらいたいという親心から、親御さんはPTAの活動をされているんですよね。でも、その中でいろいろトラブルが起きてしまって。今はプライバシーの問題などもあって、昔より大変なんだろうなと思います。
まどかもそうなんですけれども、女の人は「○○くんのお母さん」「○○さんの奥さん」という、それぞれの役割を頑張るんですよね。もしかしたら、そこの中での居心地のよさもあるのかもしれませんが、「女としての自分が無くなってしまう」と思うところもあったりして。女の人は大変なんだと思います。私は、女優としての有森也実と、女優をやってない時の有森也実くらいしかないので、そんなに大変じゃないんですが(笑)
- ――有森さんにとっての“敵”は？
- 差し入れの甘いモノ(笑)「見てるだけー見てるだけー」とつぶやきながら、差し入れのそばを何度も通っていたら、松本プロデューサーが「有森さんも、食べてくださいよ」とおっしゃって。「そうおっしゃってくださったのだから、いただきますわ♪」と言い訳して食べちゃいました(笑)
- ――お料理が得意な有森さんは、マネージャーさんの分もおにぎりを作ったりされているそうですが、やはりハードな撮影のためには、食生活を大事にされていますか？
- もちろん食も大事ですが、毎日が楽しいというのもいいことですよね。今、撮影が楽しいです。早朝から深夜までの撮影は大変なこともありますが、いい意味での緊張感と、ステキな脚本と、すばらしいスタッフ、共演者に囲まれて仕事ができているということが、私の元気の素ですね。
- ――最後に、視聴者の方へのメッセージを！
- 先日、一緒にご飯を食べた友達が、「すっごい楽しい!!」と、ドラマを楽しみにしてくれていて。「まどかさんみたいな人いるの！ 陽子さんみたいな人もいるの！」って、いろいろ話してくれたんです(笑) 自分はどのタイプなのか、当てはめて見てみるのも面白いかもしれないですね。人間、ぶつかり合わないと本質的なところは見えてこないですし、彼女たちのバトルの意味も回を追うごとに分かってくるので、毎回毎回見逃さないでくださいね！