2度目の防衛を果たし、ベルトを巻く八重樫東=両国国技館
|
 |
◇WBC世界フライ級王座戦
最強挑戦者を蹴散らした。判定勝ちのアナウンスを告げられた八重樫は、ちょっぴり表情を緩ませる。9月に生まれたばかりの第3子・一永(ひとえ)ちゃんを抱きかかえて、こう言った。
「きょうはあまり面白くなかったですよね。すいません。これからも精進して頑張ります」。打ち負かす展開を期待していたファンへの“謝罪”だった。WBC世界ライトフライ級王座を10度も防衛した挑戦者の強烈な左ボディーを食らわないようにと動き回った。中盤からはカウンターの左フックが相手の顔面を何度もえぐった。終盤まで右へ左へ軽やかなフットワークを披露し続けた。
過酷なトレーニングで体をつくり上げた。元K−1王者・魔裟斗の個人トレーナーとして知られる土居フィジカルトレーナーと、週3回の走り込みやボートこぎマシンでの筋トレを中心としたメニューをこなした。腹筋は毎日1500回。12ラウンド動けるスタミナをつけた。
来年2月、大橋ジムは設立20周年。「パーティーに現役世界王者として参加できるのにこだわっていたのでよかったです」と報道陣を笑わせた。今年は世界戦3勝。八重樫が最高の形で1年を締めくくった。 (永井響太)
この記事を印刷する