秘密保護法成立、反対訴える声深夜まで 各地で集会
日に日に高まる反対の世論や野党の抵抗を蹴散らすように、政府与党は採決に突き進んだ。特定秘密保護法は6日夜、参院本会議で成立した。「それでも、欠陥だらけの法律を許すわけにはいかない」。戦争を知る世代、若者、子を連れた母親……。反対を訴える市民の声は、深夜までやむことはなかった。
採決に先立ち、国会近くの日比谷野外音楽堂で午後6時半から始まった抗議集会には約1万5千人(主催者発表)が参加し、「審議が拙速で乱暴」などの批判が続いた。階段や通路まで人で埋め尽くされ、入れなかった人たちも外で「強行採決を許さない」と声を上げた。
主催者側の海渡雄一弁護士が「法案が成立しても、廃止する活動を始めよう」と呼びかけると、大きな拍手が起きた。福島原発事故の刑事責任追及を求める「福島原発告訴団」の武藤類子団長は「(原発事故では)情報を隠されたことでたくさんの人が被曝(ひばく)した。情報が隠されると、命と安全を守ることはできない」と訴えた。
生後7カ月の娘を連れて福岡県筑紫野市から駆けつけた会社員、宮下彩さん(34)は「そそのかしが罰せられるなら、友達づきあいも気にしなければならない。秘密だらけの世の中にしかねない法律は未来に残したくない」と話した。
会場に入れなかった横浜市中区の会社員、藤田勇人(はやと)さん(27)は「外交や防衛にある程度秘密が必要なのは分かるが、第三者機関などチェック機能の議論が雑。国会運営をみても、不安しか残らない」と批判した。
集会では「国会より上に行政が君臨する官僚独裁を導き、憲法と民主主義の転覆を図るクーデター法だ」とする宣言を採択。参加者たちは国会周辺でデモ行進した。
東京都北区の会社役員、野地賢徳さん(40)は息子の賢蔵君(7)とデモ行進に加わった。「国が軍事機密などを守らなくてはいけないのは分かる」としながらも、「自衛隊法など今ある法律でなぜ漏洩(ろうえい)を防げないのか、議論が尽くされていない。施行まで反対の声を上げ続けたい」。
言論に携わる人たちの危機感は強い。日本ペンクラブなどがこの日、国会内で開いたシンポジウムで作家の吉岡忍さんは「透明度の高い政治制度が民主主義のはず。特定の公務員や大臣が、国家とか国益という言葉を持ち出し、世の中のあらゆる情報を秘密にしたら、何をしでかすか分からない」と不安を訴えた。
日本雑誌協会の山了吉さんは「常にタブーを追ってきたのが雑誌。秘密保護法ができれば、根底から取材源を断つことになる」と主張した。
東京都三鷹市の国際基督教大学には約250人の学生が集まり、法案の問題点について学識者らと話し合った。成立を急ぐ与党の真意について、一橋大の山内敏弘名誉教授(憲法)は「慎重に審議すると、法案の内容を理解した国民が反対するから、短期間で成立させようと考えたのではないか」などと説明。参加した国際基督教大2年の栗栖由喜(ゆき)さん(19)は「秘密の定義があいまいすぎる『不特定』秘密保護法案には反対です」と話した。
■大阪・京都・福岡でも 各地でもこの日、抗議の集会やデモが続いた。
京都市で市民団体が呼びかけたデモには約120人が参加。「強行採決こそテロだ」と書かれたプラカードを掲げ、JR京都駅周辺を歩いた。団体職員、長谷川幹さん(33)は「納得していない市民がいることを、安倍政権に伝えていきたい」。インターネットでデモを知り、参加したという女性(21)は「傍観者ではなく行動に移さなければ、と思った」と話した。
買い物客らが行き交う神戸市のJR三ノ宮駅近くでも、弁護士ら約400人が抗議の列を作った。速水二郎さん(76)は「与党は数の力で暴走した。安倍首相と民意にはズレがありすぎだ」と憤りの声を上げた。
大阪市中央区の自民党大阪府連が入るビルの前では前日に続き約70人が集い、大学4年生の藤井藍子さん(22)は「抗議をやめるつもりはありません」と言い切った。
福岡市中央区天神の繁華街では、市民グループのメンバーら約10人が法案に反対するビラを配った。500枚を1時間で配りきった。受け取った福岡県宮若市の会社員、豊福明子さん(53)は「民主主義が壊れている感じ。与党が数の力におごり、国民の声を聞いていないように見える」。
名古屋市中区の広場には4千人近く(主催者発表)が集まり、「私たちの力で廃案にしよう」などと訴えた。集会は愛知県内の弁護士らでつくる市民団体が主催。先月開いた時よりも参加者が大幅に増えた。事務局の内田隆さんは「与党の国会運営の強引さに危機感を持った人が多いのだろう」と話した。
採決に先立ち、国会近くの日比谷野外音楽堂で午後6時半から始まった抗議集会には約1万5千人(主催者発表)が参加し、「審議が拙速で乱暴」などの批判が続いた。階段や通路まで人で埋め尽くされ、入れなかった人たちも外で「強行採決を許さない」と声を上げた。
主催者側の海渡雄一弁護士が「法案が成立しても、廃止する活動を始めよう」と呼びかけると、大きな拍手が起きた。福島原発事故の刑事責任追及を求める「福島原発告訴団」の武藤類子団長は「(原発事故では)情報を隠されたことでたくさんの人が被曝(ひばく)した。情報が隠されると、命と安全を守ることはできない」と訴えた。
生後7カ月の娘を連れて福岡県筑紫野市から駆けつけた会社員、宮下彩さん(34)は「そそのかしが罰せられるなら、友達づきあいも気にしなければならない。秘密だらけの世の中にしかねない法律は未来に残したくない」と話した。
会場に入れなかった横浜市中区の会社員、藤田勇人(はやと)さん(27)は「外交や防衛にある程度秘密が必要なのは分かるが、第三者機関などチェック機能の議論が雑。国会運営をみても、不安しか残らない」と批判した。
集会では「国会より上に行政が君臨する官僚独裁を導き、憲法と民主主義の転覆を図るクーデター法だ」とする宣言を採択。参加者たちは国会周辺でデモ行進した。
東京都北区の会社役員、野地賢徳さん(40)は息子の賢蔵君(7)とデモ行進に加わった。「国が軍事機密などを守らなくてはいけないのは分かる」としながらも、「自衛隊法など今ある法律でなぜ漏洩(ろうえい)を防げないのか、議論が尽くされていない。施行まで反対の声を上げ続けたい」。
言論に携わる人たちの危機感は強い。日本ペンクラブなどがこの日、国会内で開いたシンポジウムで作家の吉岡忍さんは「透明度の高い政治制度が民主主義のはず。特定の公務員や大臣が、国家とか国益という言葉を持ち出し、世の中のあらゆる情報を秘密にしたら、何をしでかすか分からない」と不安を訴えた。
日本雑誌協会の山了吉さんは「常にタブーを追ってきたのが雑誌。秘密保護法ができれば、根底から取材源を断つことになる」と主張した。
東京都三鷹市の国際基督教大学には約250人の学生が集まり、法案の問題点について学識者らと話し合った。成立を急ぐ与党の真意について、一橋大の山内敏弘名誉教授(憲法)は「慎重に審議すると、法案の内容を理解した国民が反対するから、短期間で成立させようと考えたのではないか」などと説明。参加した国際基督教大2年の栗栖由喜(ゆき)さん(19)は「秘密の定義があいまいすぎる『不特定』秘密保護法案には反対です」と話した。
■大阪・京都・福岡でも 各地でもこの日、抗議の集会やデモが続いた。
京都市で市民団体が呼びかけたデモには約120人が参加。「強行採決こそテロだ」と書かれたプラカードを掲げ、JR京都駅周辺を歩いた。団体職員、長谷川幹さん(33)は「納得していない市民がいることを、安倍政権に伝えていきたい」。インターネットでデモを知り、参加したという女性(21)は「傍観者ではなく行動に移さなければ、と思った」と話した。
買い物客らが行き交う神戸市のJR三ノ宮駅近くでも、弁護士ら約400人が抗議の列を作った。速水二郎さん(76)は「与党は数の力で暴走した。安倍首相と民意にはズレがありすぎだ」と憤りの声を上げた。
大阪市中央区の自民党大阪府連が入るビルの前では前日に続き約70人が集い、大学4年生の藤井藍子さん(22)は「抗議をやめるつもりはありません」と言い切った。
福岡市中央区天神の繁華街では、市民グループのメンバーら約10人が法案に反対するビラを配った。500枚を1時間で配りきった。受け取った福岡県宮若市の会社員、豊福明子さん(53)は「民主主義が壊れている感じ。与党が数の力におごり、国民の声を聞いていないように見える」。
名古屋市中区の広場には4千人近く(主催者発表)が集まり、「私たちの力で廃案にしよう」などと訴えた。集会は愛知県内の弁護士らでつくる市民団体が主催。先月開いた時よりも参加者が大幅に増えた。事務局の内田隆さんは「与党の国会運営の強引さに危機感を持った人が多いのだろう」と話した。
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