コメの値下がりが続いている。農林水産省が6日まとめた「米に関するマンスリーレポート」によると、10月の平均小売価格(全銘柄)は5キロあたり1994円で、1年半ぶりに2千円を割り込んだ。2千円は「消費者が割高感を持つかどうかの心理的な境目」(米卸)とされ、昨年来の高値は収束しつつある。コメの需要は依然として低調で在庫も高止まりしている。
コメの平均小売価格はスーパーなど全国880店舗のPOSデータを基に算出した。全銘柄の平均価格は2012年5月に2千円を突破し、同年12月に2170円の直近高値を付けた。その後は需要低迷による在庫増などで値下がりに転じ、13年産の新米が前年より安く出回り始めた9~10月に一段と下落した。
個別銘柄をみると、新潟産コシヒカリの10月の平均価格は5キロ2142円と前年同月比で7.6%(176円)、秋田産あきたこまちは2007円と同6.7%(145円)下がった。外食や中食の需要が多い北海道産きらら397は7.2%(143円)安の1840円だった。
スーパーの特売では平均価格よりさらに安く販売されるケースが多い。首都圏では現在、秋田産あきたこまちの特売価格は5キロ1680~1880円が中心で、前年に比べて200円程度安い。
消費者の購買意欲は鈍い。総務省の家計調査によると、10月の1世帯あたり購入数量は9060グラムで、前年同月に比べ19%減った。新米が本格的に出回る10月は1年で需要が最も多い時期で、卸業界は「販売状況はきわめて厳しい」(全国米穀販売事業共済協同組合の木村良理事長)と危機感を強める。
コメの流通在庫は10月末時点で59万トンと、前年に比べて2割近く多い。そのうち高値で販売が伸び悩んだ12年産のコメが26万トンを占め、前の年に収穫された古米の在庫水準としては前年の2.6倍に上る。一方、13年産の新米在庫は25万トンと前年に比べ約2割少ない。
卸業者には「13年産の新米はいつでも安く手に入る。いまは当面の必要量を確保しておけばよい」(米卸大手)との意識が強い。
農水省は11月、14年産のコメの生産数量目標を765万トンと、13年産に比べ26万トン削減する方針を示した。一部では50万トン減らす案も浮上したが、同省は「新米の時期に合わせて一定量を消費者に供給する必要があり、一気に減らすのは難しい」と削減幅を抑えた。しかし、13年産米の売れ行きは鈍く「新米人気」に陰りもみられる。14年産のコメが豊作だった場合、需給ギャップは一段と広がる可能性もある。
農水省が6日発表した13年産米の作況指数は102の「やや良」。主食用米の予想収穫量は818万2千トンと、需要見込みに比べ約32万トン多い。
木村良、コメ、農林水産省、あきたこまち
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