【北陸発】断層「原発に重大影響」 志賀調査、県内団体が報告
北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の周辺断層を昨春から調べている「日本科学者会議石川支部」など県内四団体は五日、北電が原発敷地内のS−1断層について「活断層ではない」と主張する根拠の否定につながる調査結果をまとめ、原子力規制委員会の田中俊一委員長あてに報告書を提出した。周辺断層についても「(耐震安全上)原発に重大な影響を与える」と指摘した。 調査を指導する新潟大の立石雅昭名誉教授(地質学)ら五人が、同町の原子力規制庁志賀原子力規制事務所を訪れ、寺田弘司所長に提出。志賀原発の基準地震動の見直しや、北電も交えた検討会の開催を求めた。 提出は、原発北九キロの富来川南岸断層を「活断層」と結論づけた今年一月の報告書に次いで二度目。今回は東一キロの福浦断層と、原発周辺の海岸地形の調査結果も加えた。 報告書によると、原発西の海岸では、断層運動が起きた際に見られる「鏡肌」の現象を発見。北電はS−1断層の活動性を否定する根拠の一つとして、この地形を「浸食作用でできた」と主張しており、北電の見解を否定した。 また、国の基準では原発の耐震安全上、十三万〜十二万年前以降に動いた活断層を考慮することになっているが、福浦断層の活動時期の特定には至らなかった。一方で「少なくとも四十万年前以降に動いた」として危険性を主張した。原発北二キロでは、十三万〜十二万年前以降の断層活動で隆起した可能性のある地形を見つけた。 報告書の提出後、立石名誉教授は町内で会見を開き、「北電の調査はあまりにもずさんだ」と批判した。六日には北電に提出し、志賀原発の廃炉を求める。 (渡辺大地) PR情報
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