秘密保護法:与党強行で成立 民主「憲政史上まれな暴挙」
毎日新聞 2013年12月07日 01時29分
◇みんな、維新は退席
国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案は6日深夜の参院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決・成立した。民主、共産、社民、生活の4党などは反対し、与党と法案修正で合意していたみんなの党、日本維新の会は退席。賛成130票、反対82票だった。民主党は「憲政史上まれな暴挙だ」と同日、安倍内閣不信任決議案や森雅子同法担当相の問責決議案を衆参両院に提出したが、与党などの反対多数で否決された。国会周辺で市民団体などが夜まで抗議するなか、安倍政権は、情報統制の強化や国民の「知る権利」を侵害する可能性をはらんだまま、同法の成立を強行した。【小山由宇、阿部亮介】
6日夜の参院本会議で、前日に民主党が提出した中川雅治・参院国家安全保障特別委員長(自民)の問責決議案が、与党などの反対多数で否決された。直後に中川氏が特定秘密保護法案の委員長報告を行った際に、民主、みんな、維新3党の議員が本会議場から退席。民主党はそのまま法案の反対討論を棄権した。
その後、民主党は議場に復帰し採決では反対した。与党と法案修正で合意しながら衆院採決を退席した維新は、参院採決も棄権。衆院で法案に賛成したみんなも棄権したが、党内から真山勇一、川田龍平、寺田典城の3氏が本会議に残り、反対票を投じて造反した。また、自民の二之湯智氏も反対した。
採決後、菅義偉官房長官は記者団に「わが国を取り巻く安全保障環境が厳しいなか、国民の安全・安心を確保する大切な法案が成立して大変良かった」と語った。森氏も「国民の知る権利が守られるよう、恣意(しい)的な秘密指定がされないよう対応したい。国民の懸念に対して丁寧に説明する」と強調した。自民党の石破茂幹事長は同法に世論の懸念が強いことを踏まえ「施行までの間、さらに多くの(国民の)理解を得る努力をしなければならない」と強調した。
民主党の海江田万里代表は「暴走する自民党に対して、これからもチェック機能を果たさなければならない。国民への影響が少なくなるよう努力する」と無念さをにじませた。