秘密保護法案:与党が強行可決で成立
毎日新聞 2013年12月06日 23時46分(最終更新 12月07日 00時47分)
国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案は6日夜の参院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決・成立した。民主、共産、社民3党などは反対した。賛成130票、反対82票だった。与党と法案修正で合意していたみんなの党、日本維新の会は退席した。採決に反対していた民主党は同日、安倍内閣不信任決議案や森雅子同法案担当相の問責決議案を衆参両院に提出したが、与党などの反対多数で否決された。国会周辺で市民団体などが夜まで抗議するなか、安倍政権は、政府による情報統制を強めかねず国民の「知る権利」を侵害する可能性をはらんだまま、同法の成立を強行した。【小山由宇、阿部亮介】
6日夜の参院本会議で、前日に民主党が提出した自民党の中川雅治・参院国家安全保障特別委員長の問責決議案が、与党などの反対多数で否決された。直後に中川氏が秘密保護法案の委員長報告を行った際に、民主、みんな、維新3党の議員が本会議場から退席。民主党はそのまま同法案の反対討論を棄権した。
その後、同党は議場に復帰し、採決では反対した。与党と法案修正で合意しつつ衆院採決を退席した維新は、参院採決も棄権。衆院で法案に賛成したみんなの党も棄権したが、党内から真山勇一、川田龍平、寺田典城の3氏が本会議に出席し、反対票を投じて造反した。
与党は野党による「引き延ばし戦術」を警戒し、同日の衆院本会議で、8日まで2日間の会期延長を賛成多数で可決。6日夜の参院本会議採決を急いだ。
自民党の石破茂幹事長は記者団に「(秘密保護法案の)採決を遅延する行動が取られれば、この対応もやむを得ない」と野党側の抵抗を批判した。公明党の山口那津男代表は世論の懸念を踏まえ、「今後も説明責任を尽くす努力が必要だ」と述べた。
一方、民主党は国会審議の打ち切りなどに反発。ほかの法案採決より優先で審議される内閣不信任案などを衆院に提出した。民主党の海江田万里代表は6日夜の衆院本会議で「国会を無視し、首相官邸の下請けのように扱う強権姿勢が、第1次政権と全く変わっていない」と安倍晋三首相を強く批判。内閣不信任案には民主、みんな、共産、生活、社民各党などが賛成し、与党と日本維新の会などが反対した。民主党が参院に提出した森氏の問責決議案はこれに先立つ6日午後の参院本会議で否決された。