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防衛秘密、3万件超廃棄  問われる情報公開の姿勢


 特定秘密保護法案を先取りする「防衛秘密」を管理する防衛省が、2011年までの5年間に廃棄した秘密指定文書は計 約3万4千件に上ることが27日、同省への取材で分かった。 一方、02年に防衛秘密の指定制度を導入して以来、指定が解除されたのは1件だけにとどまる。

 文書が廃棄されてしまえば何が指定されたか、指定は妥当だったかの検証は不可能。指定解除の少なさも併せ、政府の情報公開の姿勢が問われている。

 防衛秘密は、00年に発覚した元海上自衛隊3佐による在日ロシア大使館駐在武官への情報漏えい事件をきっかけに、秘密保全の厳格化を目指して定められた。01年に改正された自衛隊法で、防衛庁長官(当時)が「特に秘匿する必要があるもの」を指定すると規定。それまで漏えいには国家公務員法違反(最高懲役1年)などを適用していたが、防衛秘密を漏えいした場合には、最高懲役5年を科すことになった。

 防衛省によると、自衛隊の運用や計画、収集した電波・画像情報、防衛力の整備計画などが防衛秘密の対象で、07年から11年までの5年間に計約5万5千件が指定された。保存期間は文書によって異なり、1年未満から30年で延長もできる。11年末の時点で3万752件の防衛秘密がある。

 防衛省の訓令では、あらかじめ指定された要件を欠いた場合、指定を解除できるが、実際に解除されたのは1件のみ。

 保存期間をすぎた文書は、幹部が承認して廃棄するか、期間を延長するが、防衛省は5年間で計約3万4千件を廃棄した。同省は「法令に基づいて処理しており、問題はない」と説明している。

(共同通信)

2013/10/28 11:52

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