日に日に高まる反対の世論や野党の抵抗を蹴散らすように、政府与党は採決に突き進んだ。特定秘密保護法案は6日夜、参院本会議にかけられ、成立する見通しとなった。「欠陥だらけの法案を許すわけにはいかない」。戦争を知る世代、若者、子を連れた母親……。廃案を求める市民の声は、深夜までやむことはなかった。

 国会近くの日比谷野外音楽堂。午後6時半から始まった抗議集会には、約1万5千人(主催者発表)が参加し、階段や通路まで埋め尽くした。入れなかった人たちも外で「強行採決を許さない」と声を上げた。

 主催者側の海渡雄一弁護士が「仮に法案が成立しても、廃止する活動を始めよう」と呼びかけると、会場からは大きな拍手が起きた。

 日本弁護士連合会の山岸憲司会長は「(審議が)あまりに拙速で乱暴。チェックする検証機関を法案を通した後に作るなんて、本末転倒だ」と厳しく批判。福島原発事故の刑事責任追及を求める「福島原発告訴団」の武藤類子団長は「(原発事故では)情報を隠されたことでたくさんの人が被曝(ひばく)した。情報が隠されると、命と安全を守ることはできない」と訴えた。