米副大統領:韓国に対日改善促す 朴大統領は態度変えず

毎日新聞 2013年12月06日 20時40分

 【ソウル澤田克己】訪韓したバイデン米副大統領は6日、ソウルの青瓦台(大統領府)で韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。バイデン氏は日韓関係を改善するよう求めたが、朴氏は日本側が前向きな動きを見せるべきだと応じた。韓国では最近、専門家やメディアを中心に対日関係改善を求める声が高まっているが、大統領の態度は依然として硬いようだ。

 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相によると、バイデン氏は、日韓両国がともに米国の重要な同盟国だと指摘し、「両国間の障害が速やかに解消され、関係が円満に進展することを希望する」と述べた。これに対し朴氏は、日本との未来志向の関係構築を希望しているとしつつ、「そのために日本側の真摯(しんし)な措置を期待している」と述べた。

 朴氏は同時に、中国との戦略的協力パートナーシップ関係を今後も発展させることで「北東アジア地域の平和と発展にも寄与していこうと思う」と伝えた。バイデン氏の反応は、明らかにされていない。

 朴氏は、韓国が計画する防空識別圏の拡大に関する韓国の立場を説明した。バイデン氏は「朴大統領の説明と韓国の努力を評価」した。双方は今後、緊密な協議を続けていくことにしたという。

 韓国は、中国が東シナ海に設定した防空識別圏への対応として、両国が管轄権を争う暗礁、離於島(イオド)上空まで防空識別圏を拡大する方針だが、米国は難色を示してきた。青瓦台高官は、バイデン氏の反応について「支持したという表現は適切ではない。努力を評価するということだ」と述べるにとどめた。

 一方、バイデン氏は、韓国が先月末に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への「関心表明」をしたことを歓迎した。

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