マンデラ氏死去:「正義の巨人だった」各国首脳が哀悼の意

毎日新聞 2013年12月06日 11時38分(最終更新 12月06日 12時53分)

 南アフリカのマンデラ元大統領死去の報に、各国首脳らは哀悼の意を表するとともに、人種差別に立ち向かった勇気や功績をたたえた。

 国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は5日、緊急に開いた記者会見で「正義の巨人だった。世界中の多くの人が、彼の無私無欲の闘いに多大な影響を受けた」と業績を評価した。事務総長は2009年にマンデラ氏と会談した際、アパルトヘイト(人種隔離)政策廃絶への闘いを称賛。「私だけではなく、有名、無名の多くの人が貢献したのだ」と何度も繰り返すマンデラ氏の謙虚さについて振り返り、「心を打たれた」と話した。

オバマ米大統領は5日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、「最も大きな影響力と勇気を持ち、この地球上の誰もが共有する深き良き人間性をそなえた人物を失った」とその死を悼んだ。オバマ大統領は「私の最初の政治的行動はアパルトヘイトに反対することだった」と自らの青年時代を回想し、「彼が刑務所から釈放された日、人間は恐怖ではなく希望に導かれることで何事かを成すのだと感じた」と自らの人生に与えた影響の大きさに言及した。

 南アの旧宗主国、英国のキャメロン首相は5日夜、声明で「世界の偉大なる光が逝った。我々の時代におけるそびえ立つ偉人であり、生きてはもちろん、死してなお伝説である。真の世界的英雄だった。彼と会ったことは私の人生における大いなる名誉の一つである」と述べた。

 中国の習近平国家主席は6日午前、南アのズマ大統領へ弔電を送り、「中国政府や国民を代表し、個人としても深い哀悼の意を表する」とのコメントを発表した。国営新華社は死去を速報し、国営中国中央テレビも死去発表直後から「永遠のマンデラ」と題してマンデラ氏の足跡をたどる特集番組を繰り返し伝え、功績をたたえた。

 南ア最後の白人大統領で、マンデラ氏とノーベル平和賞(1993年)を共同受賞したデクラーク氏は「(国を)一つにした特別な人物。民族融和が最大の功績だ」と米CNNに述べた。反アパルトヘイト運動の闘士で、ノーベル平和賞(84年)受賞者のツツ元ケープタウン大主教は「自分と相手を信じ、一つになることを教えてくれた」と振り返った。【ニューヨーク草野和彦、ワシントン白戸圭一、ロンドン小倉孝保、北京・西岡省二】

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