シリア化学兵器:米、分解処理に100人派遣へ
毎日新聞 2013年12月06日 12時03分
【ワシントン西田進一郎】シリアの化学兵器を公海上の輸送船内で分解処理する任務を負っている米国が、輸送船とともに約100人の国防総省文民職員らを派遣する方針であることが5日、分かった。月内に洋上での処理試験を行い、化学兵器禁止機関(OPCW)が処理方針を正式決定するのを受けて作業を始める意向だ。複数の同省高官が記者団に語った。
OPCWは、猛毒サリンの原料とみられる化学物質数百トンをシリア西部のラタキア港からデンマークやノルウェーの船で護衛付きで輸送。米国が公海上の輸送船で加水分解処理し、その廃液を民間企業・団体が燃焼などで無害化して処理するプロセスを事実上確定させている。
加水分解処理を担当する米国は、米運輸省海事局の輸送船を改修し、米軍が開発した移動式の処理設備をデッキの下に搭載する作業を進めている。この設備は24時間稼働でき、1日5〜25トンの化学兵器を処理できる。
ただ、シリアから海上輸送する化学物質をどこで米国の輸送船に積み込み、どこで処理するのかは決まっていないという。