秘密保護法案:衆院賛成、参院退席 みんな、分裂を警戒

毎日新聞 2013年12月06日 00時52分(最終更新 12月06日 02時53分)

 特定秘密保護法案の衆院通過時に賛成したみんなの党が、5日の参院国家安全保障特別委員会で与党の質疑打ち切りに抗議し採決を退席。本会議採決でも退席することを決めた。参院での与党の強引な国会運営が、党内でくすぶっていた渡辺喜美代表主導の修正合意に対する不満に火を付けた形だ。執行部は、採決に出席すれば造反が衆院採決時の3人を超えることは確実とみて党分裂を警戒、分かりづらい対応につながった。

 「幹事長、国対委員長にお任せする」

 渡辺氏は5日夕の特別委での強行採決後、本会議での対応について記者団にこう述べた。衆院で党が賛成方針を決めた11月19日に自ら「賛成」を明言したのとは対照的な歯切れの悪さだった。

 渡辺氏は安倍晋三首相と11月14日に会食した際修正案を示して、翌15日、与党との協議を開始。既に協議を始めていた日本維新の会を出し抜いて真っ先に合意し、法案に賛成した。露骨な「賛成ありき」の対応に、他の野党だけでなく党内からも「政権へのすり寄りだ」などの批判が続出。衆院採決では、修正協議を担当した井出庸生氏ら2人が反対し、江田憲司前幹事長が退席した。

 参院では5人前後が既に反対を示唆。大量造反を警戒した執行部は5日、特別委の採決をにらみ、反対派の委員2人を賛成派に切り替えて法案賛成への環境を整えながら、特別委採決では結局、退席を選択せざるを得なかった。

 江田氏は自身のフェイスブックで「全ての判断ミスは、安倍首相と酒食の場で手を握り、はじめに賛成ありきの修正協議を強いてきたツケではないのか」と渡辺氏を批判した。【笈田直樹】

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