秘密保護法案:午後成立強行へ 他法案にらみ会期2日延長
毎日新聞 2013年12月06日 13時02分(最終更新 12月06日 13時37分)
政府・与党は国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法案を、今臨時国会期末となる6日午後の参院本会議で強行採決し、可決・成立させる方針だ。これに対し野党側は、民主党が同日午前、森雅子・特定秘密保護法案担当相の不信任決議案を衆院に、問責決議案を参院に提出するなどして抵抗する構えで、採決は深夜にずれ込む可能性もある。一方、自民、公明両党は6日午前の幹事長・国対委員長らの会談で、国家戦略特区法案など重要法案の成立も念頭に、2日間程度の小幅な会期延長を行う方針で一致した。
与党は6日午前、自民党役員連絡会や自公両党の幹事長らの会談を国会内で開いて対応を協議した。自民党の石破茂幹事長は会談後の記者会見で「今日中に残りの法案を処理する方針に変わりはない。いかなる事態にも対応できるよう態勢は整えておく」と述べた。与党は野党側にも会期延長の方針を伝達。与党幹部は「保険として延長手続きはせざるを得ないが、週末の2日間だ」と語った。
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は6日午前の会見で、秘密保護法案に各界から反対が出ていることについて、「法案内容をまだご理解いただいていないのだろう。成立から1年後の施行までに真摯(しんし)に説明すれば必ず理解いただけると思う」と強調した。
また森氏は閣議後の会見で、特定秘密の指定・解除などを検証・監察する新設の情報保全監察室(仮称)について、「秘密の中身をしっかり見られるようにしないと、違法な指定をしているか判断できない」と指摘。個別の秘密指定の是非を判断する権限を同室に与える考えを示した。ただ、メンバーなどの詳細については「まだ深く決めていない」とし、自公両党と日本維新の会、みんなの党の4党実務者合意の急造ぶりもにじんだ。
一方、民主党の海江田万里代表は6日午前の党常任幹事会で、秘密保護法案に関し「秘密の範囲やチェック機関などについて、与党から泥縄式の提案が出ている」と批判。「場合によっては、安倍内閣に対して重大な決意を持って当たりたい」と述べ、内閣不信任案や首相問責決議案の提出も示唆した。同党は同日午前、衆院に森氏の不信任決議案を、参院に問責決議案を提出。午前の衆参両院の各委員会を欠席・退席し、午後の衆院本会議も欠席した。